▼ ページ24
「……なんだそれ。馬鹿馬鹿しい」
ボールを抱えている円堂を
「あれ、円堂君。それに影山君も。」
「ここで特訓してたんだ」
基山と緑川と、綱海。奇妙な組み合わせだ。
僕の心中を察したみたく、綱海がその理由を話しだす。
「塔子とリカがミニゲームしようって円堂探しててさ」
「二人が？ 」
「そーそー。グラウンドで待ってるから、早く行こうぜ」
「相手は大阪の、ギャルズの女の子三人も合わせて五人。五対五だし、影山君を入れたら俺達も丁度人数揃うな」
「は？ おい、勝手に頭数に入れてくれるなよ」
「そー言うなって！ 」
基山に噛み付いた僕を宥めようと、綱海が無邪気に肩を組んでくる。
「リカも影山に会いたいって言ってるしよ！ 」
＊＊＊
「塔子！ この前は来てくれてありがとな」
「あぁ。まぁ、誰かさんのせいでそんなに喋れなかったけど」
グラウンドに着くや否や、じっとりとした目で財前に睨まれる。そう名前から分かる通り彼女は財前総理の娘、財前塔子。それをあの時分かれれば、もっと違う対応をとったのに。
明らかに日本代表では無い女の子二人組が控え室に入ってきたから、僕は不審者だと思って水色髪の方に絞め技をかけてしまったのだ。
「おぅおぅやっと来たな影山！ 」
「あはは。あー、あの日はごめんねぇー」
「ごめんねで済むんやったら警察いらんわ！ 」
水色髪の方改め、浦部リカ。調べてみると大阪の方ではそこそこ有名なサッカーチームのキャプテンらしく、エイリア学園との戦いにも一役買ったらしい。
それにしても僕が押さえ付けたのが財前では無く浦部だったのは不幸中の幸いだった。総理大臣の娘に危害を加えるなんて、考えるだけで血の気が引く。そもそも、国の重要人物の警護はもっとしっかりしてくれ。
「この前の借りはしっかりと返させてもらうさかい」
「そんな借りだなんて。気にしなくていいのに」
「ぜーったい痛い目合わす！ 」
「あはは」
僕を掴みかからんとしていたリカがチームメイトの女子二人に抑えられて下げられる。
「アジア予選も始まったばっかりだ。ウチらに負けてるようじゃ話にならんで！ 」
「あぁ！ 負けないぜ」
「じゃ、コインで先行後攻決めるぞ。私表！ 」
「だったら俺は裏！ 」
審判を任された古株──用務員だ──がコインを親指で弾き、左手の甲で受け止める。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し40482号(プロフ) - 夢蜂さん» ホントですか！ ありがとうございます。久しぶりに筆をとったのでお見苦しい点もあるかと思いますが、完結までまだまだこれからなので長い目で応援して頂けたらと思います(^^) (2020年11月13日 20時) (
レス) id: b02fa3353c (このIDを非表示/違反報告)
夢蜂(プロフ) - 久しぶりに占ツクに帰ってきたら好きな作品に巡り会えました！更新ゆるりと待ってます！！ (2020年11月13日 12時) (レス) id: e0800992ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：名無し40482号 | 作成日時：2020年10月18日 21時
