３ 詐欺師 ページ3
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「もう来ないでください」
影山東吾のビデオはひとまず先送りにして、虎丸のことを調べようとサッカー協会に来てみたがやはり門前払いされてしまった。元・副会長の父さんが好き勝手にサッカー協会を利用したからといって、こうも邪険にされるとは。
「仕方がない……帰ろっと」
宇都宮虎丸。響木正剛の推薦で日本代表候補となり、見事その枠を勝ち取った少年。巧みなボールコントロールが特徴で、先のオーストラリア戦でもボックスロック・ディフェンス攻略に一役買うなど有能な選手だ。
しかしなぜかシュートを極端に避けるきらいがある。
そしてネットで調べた限りＦＦの出場記録はない。
栗松が「また」と言っていた為、常習的に練習を途中で切り上げているのだろう。僕や不動程ではないとはいえ、周りからの心証は芳しくなさそうだ。
「ＦＦの出場記録がないのが気になるな……」
父さんの圧力で出場できなかったとしても、それなら僕の耳に入っていないわけがない。吹雪や豪炎寺と同様に、実力を持った中学生は帝国学園の障害になる前に何かしらの対策が取られたからだ。
せっかく南関東まで足を運んだのだから、スタジアムに行ってもう一度フィールドの雰囲気を下見でもするか。そう思いながら歩いていると、突然携帯が震え出した。画面を見ると、非通知の番号。普段なら出ないのだが、脳裏にヒデの顔がちらついた。
「……もしもし」
「初めまして。私、袴田と申します。影山零様のお電話で間違いなかったでしょうか？ 」
自然と眉が寄る。袴田という人間には、会ったことは無いが覚えはあった。
「はい。僕は影山ですが……」
＊＊＊
雷門中から車に揺られて数十分。窓から見えていた住宅街や公共の施設は姿を消し、代わりに木が多くなる。
父さんにアポイントメントを取ると、急な話だというのに快く了承してくれた。ＦＦ以降父さんと腹を割って話す機会が多くなり、エイリア学園との戦いが終わってからの三ヶ月間でやっと親子になれた気がしている。今なら躊躇わず父さんに、影山の話を聞けるだろう。
車から降りると執事の袴田が出迎えてくれた。
「お久しぶりでございます有人様。お怪我の具合は如何でしょうか」
「もう何とも」
そう返すと袴田は「それはようございます」と笑顔を浮かべた。
「旦那様は客間にてお待ちです」
「客間？ 」
「誰か来ているのか？ 」
「はい。──影山様がおいでです」
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名無し40482号(プロフ) - 夢蜂さん» ホントですか！ ありがとうございます。久しぶりに筆をとったのでお見苦しい点もあるかと思いますが、完結までまだまだこれからなので長い目で応援して頂けたらと思います(^^) (2020年11月13日 20時) (
レス) id: b02fa3353c (このIDを非表示/違反報告)
夢蜂(プロフ) - 久しぶりに占ツクに帰ってきたら好きな作品に巡り会えました！更新ゆるりと待ってます！！ (2020年11月13日 12時) (レス) id: e0800992ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し40482号 | 作成日時：2020年10月18日 21時
