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「こんな所まで来る必要あったのかい？ 」
雷門中を素通りしてやって来たのは河川敷。朝日で霞んでよく見えないが、橋を渡った向こう岸には帝国学園がある。
「俺たちが勝手に使えるサッカーフィールドつったら、雷門とここくらいだろ。お前がいいんだったら、帝国で練習すんのもありだな」
「この時間帯ならもうとっくに帝国サッカー部は朝練始めてるよ。そんな所に行こうものなら、絶対に特訓どころじゃなくなる」
それに僕が帝国の敷地内に足を踏み入れるとなると手続きが面倒だ。
リフティングを止めて、コンクリートで出来た階段を下りる。軽く準備運動をこなしてボールを不動に渡した。
「どうぞ」
「ハッ」
自然とボールの奪い合いが発生し、不動がドリブル僕がディフェンスになった。
「くそ、滑る。スパイクで来るべきだった」
「予防線張んの早いな影山」
不動の足がボールを蹴った直後の隙を狙って、横から掠め取る。
「けど不動君相手なら、ちょうどいいハンデかな？ 」
一時間程練習していただろうか。流石に息が上がった不動が動きを止める。
「はぁ……お前、何でそんな……ケロッとしてんだ」
「この位普通でしょ」
「普通、ねぇ……」
「……まぁね！ 普通と呼ぶにはしては些か万能が過ぎるからなぁ、僕ったら！ 人並み以上に何でもできてしまうことを普通というのは、君たちに失礼かもしれないねぇ」
これみよがしにリフティングをしていると、不動が忌々しそうな顔で舌打ちした。
「無駄にでけぇ身長と、無駄に丈夫な体と、無駄に有り余る体力だけだろうがお前の取り柄は」
「おやおや嫉妬かい？ 」
「嫉妬してんのはそっちの方だろ、影山チャン」
「……僕が、一体誰に？ 」
「俺に」
「えぇ、この僕が、君なんかにぃ？ それって笑ってあげればいいのー？」
「笑ってあげるんじゃなくて、笑うしかないんだろ？ クククッ」
「あ？ 」
「俺にはお前の父親も兄貴も声かけてくるのになァ。それがお前の場合、どっちからも声かけられないって。さすがに惨め過ぎるぜ。まるっきり蚊帳の外なワケだ」
「はっ！ 願ったり叶ったりだよぉ。あんな奴らに声をかけられたとして捨て駒にされるのが分かりきっているのに、それをステータスに感じちゃってるなんて可哀想だねぇ」
「俺とお前の違いはなんだと思う？ 」
「急に話を変えるじゃないか」
「さっきから話題逸らしてんのはテメェなんだよ。ペラペラと間延びした語尾でイラつかせやがって」
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名無し40482号(プロフ) - 夢蜂さん» ホントですか！ ありがとうございます。久しぶりに筆をとったのでお見苦しい点もあるかと思いますが、完結までまだまだこれからなので長い目で応援して頂けたらと思います(^^) (2020年11月13日 20時) (
レス) id: b02fa3353c (このIDを非表示/違反報告)
夢蜂(プロフ) - 久しぶりに占ツクに帰ってきたら好きな作品に巡り会えました！更新ゆるりと待ってます！！ (2020年11月13日 12時) (レス) id: e0800992ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し40482号 | 作成日時：2020年10月18日 21時
