▼ ページ8
「サッカーが悲しむ? 」
「ああ。だって海王戦の反田のサッカーは苦しそうだった」
「さ、サッカーが苦しそう……? 私はあの試合、楽しかったと思ってるけど」
「本当にそう思ってるの? 」
責められてはいないのに、何故か焦りを感じる。
「本気でそう思ってるよ」
「俺にはそうは見えなかった」
「……」
「お前のシュートから伝わってくるんだ。悲しい気持ちが……、何回も止めたから分かる」
「分かるって、じゃあ何で私の本気は分かってくれないの? 」
「お前が本気なのは分かるよ」
「なら! 」
「けど! 何で、その本気を俺達にぶつけるんだよ。そんなの、サッカーが可哀想だ! ……剣城はお前が強い奴と戦いたいから裏切ったって言うけど、俺は違う気がする。もっと別の理由がある気が」
「強い奴と戦いたいから? あぁ確かに剣城……言ってたね。……変なの、あの試合に
「……! 」
「確かに雷門と海王だったら海王の方が強かったかもしれないけど……でもそんなの、ちょびっとの差だったよ」
連携は確かに取れていたし、全体的なレベルは高かった。
でも、それだけ。私が本気を出さなくても勝てちゃう程度のチーム──何より海王はサッカーに本気じゃなかった。
「私言ったじゃん、海王も雷門も変わらないって。何回も、説明したじゃん……。でも、本気になれる相手が雷門なんだ。雷門なら私が本気を出しても雷門であってくれるから、だから私は本気でサッカーしたんだって」
「雷門が雷門で……? 」
「憧れの雷門イレブンなら、私も本気を出しても大丈夫じゃないかって」
「……。なあ反田」
「……」
「なあってば」
「……なあに? 」
「サッカーやろう」
「わぁっ! いいよ!! ……て、あ、あれ? 真面目な話してたんじゃなかった……? 」
「うん、真面目な話」
松風が再度私と向き合う。
「明日の夕方、河川敷に来てくれよ。知り合いに頼んでみるから。雷門イレブンとの練習試合を受けてくれないかって」
「し、試合!? でも私サッカー部追い出されちゃってるから、行っても……」
「学校外だから部活じゃないよ。反田が出ても大丈夫! 」
「屁理屈やないそれ!? 」
「大丈夫! それに例え俺達二人で試合する事になっても、何とかなるさ! 」
「なるかなぁ!? 」
「なる! 一人じゃ無理でも、二人なら。仲間がいるならきっと何とかなる! 俺諦めたくないんだ。お前と本当のサッカーをするの! 」
42人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しけ(プロフ) - らむさん» ありがとうございます! 気づいたら無更新で2ヶ月過ぎようとしてますね…!? 近いうちに必ず更新します!^^ (9月6日 18時) (レス) id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
らむ(プロフ) - めっちゃ好きです…!更新お待ちしてます! (9月5日 4時) (レス) @page27 id: 671cd1d58d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:やに | 作成日時:2023年1月24日 19時