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「ウチが浦部リカ！ 大阪ギャルズの監督や、宜しく！ 」
褐色肌と水色のお団子髪が特徴的な彼女は、サッカーボール片手に私に笑いかけた。これがリカちゃんとの一番古い思い出だ。
イナズマジャパンの優勝からサッカーへの人気は高まり続け、クラブチームは五年前と比べて何倍もの数に増加している。そんな中でこの大阪ギャルズＣＣＣはそれなりの経歴を持ちつつ、今時珍しい「女子限定」の勧誘スタイルを取っていた。
増えたとはいえ女子サッカー選手の人口は男子と比べてまだまだ少ない。故にサッカー協会は女子サッカーの全国大会を開く素振りを全く見せなかった。そして当然、目標となる大会が無いので大半の学校は女子サッカー部を設けない。女子選手が現状で実績を積む為にはこうしたクラブチームに入る道しか無かった。
しかし、女子限定で選手を集めているチームなんて全国広しと言えども十本指で数えられる程度しかないだろう。なぜならクラブチームの大会には男子選手も出場するからだ──寧ろ女子選手も参加資格があるのがクラブチームの選手権大会である、と言い換えた方が正しい。
チームの運営側からしたら、態々女子だけを集める必要がないのだ。
「楽しくやらんと。やってもしゃーないやろ？ 」
リカちゃんのこの言葉が、私の根底にある。
大阪ギャルズＣＣＣは特殊だった。企業や地域がスポンサーとしてついている他のクラブチームとは違い、このチームはリカちゃんのお母さんが気ままに運営していた十年前と全く変わらないスタイルでこの時代を生き抜いていた。
練習はそれなりにキツかったし、試合で負ける事も少なくなかった。チームの全員がサッカー好きで、恋に漫画にオシャレに大忙しで、本気だったんだ。
もっと強くなって、皆と色んなチームと戦いたい──
「ならさ、出てみない？ 選手権大会！ 」
「えぇぇ男子も出るんやで！？ 」
「典子がおるなら大丈夫や！ 」
「頼りにしとるで、点取り屋」
小学生の頃、思い出づくり半分で出た大会。
私達大阪ギャルズＣＣＣは優勝した。
「か、勝っちゃった……勝ったんだ、皆──！ 」
疲労と興奮が綯い交ぜになって息が荒くなる。抱き合って優勝を喜び、私達は女子だけで男子のチームを倒した。
「おめでとうっ、よぉやったわアンタら！ 」
リカちゃんに抱きつくとエプロンからはソースの匂いがする。
私達大阪ギャルズＣＣＣは優勝した。
優勝してしまった。
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しけ(プロフ) - らむさん» ありがとうございます！ 気づいたら無更新で2ヶ月過ぎようとしてますね…！？ 近いうちに必ず更新します！^^ (9月6日 18時) (
レス) id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
らむ(プロフ) - めっちゃ好きです…！更新お待ちしてます！ (9月5日 4時) (レス) @page27 id: 671cd1d58d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やに | 作成日時：2023年1月24日 19時
