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「行くぞ、ジョニー！ 」
ボールが前線へと大きく蹴られる。早く戻らないといけないけれど、私は彼から目が離せなくなっていた。最初に木枯し荘へお邪魔した時に出会っていたから見覚えがあるのだと、勘違いしていたんだ。
「何でその技を……」
「何でって言われてもな。俺の技を俺が使って、不思議な事ある？ 」
「俺の技って、じゃあやっぱり」
「ほらほら。ボーッとしてると俺達が点取っちゃうぜ」
「アッ！ 」
急いで視線を後ろへと戻す。ジョニーと呼ばれた眼鏡をかけた男の人がボールを持っていて、彼を松風が止めている所だった。
「通しませんよ！」
「オー！ ドーイタシマシテ」
身長の差があるのでどうなるかと心配したが、難なく松風はボールを奪い取る。
「オーマイガ！ 」
いかに体格差はあれど毎日特訓している私達とでは練度が違っていて、そこがいい具合にハンデを帳消しし合っている様な状態だ。その為、やはり人数の差が響いている。
「信助！ 」
「させないよ！ 」
「あっ、まずい……！ 」
前に出ていた信助へのパスがカットされてしまった。パスコースが読みやすいので難なく取られてしまう。松風と信助はマークがついていて戻れそうにない。守備に残っているのは狩屋だけだ。
「下手に動くな狩屋！ 」
剣城が叫ぶ。ボールを持った選手に向かって行ったところで並走している選手やサイドへパスが出されるのは明らかだ。ゴール前が混戦になる──そうなれば葵ちゃんじゃ対応は難しい。
「行くよ〜！ 」
狩屋と葵ちゃんが固唾を飲んで構える中、ボールを持った小柄なお婆ちゃんが軽快に指笛を吹いた。
「皇帝ペンギン、二号ーー！ 」
「こ、皇帝ペンギンー！？ 」
松風が素っ頓狂な声を上げる。帝国学園のおはこがこんな所で見られると思わなかったからだ。
「葵ちゃーーん！ 狩屋ーーーッ！ 止めてー！ 」
狩屋が空に爪を立てる様にして腕を振るうと、蛍光ピンクのネットがゴール前に張られる。
「ハンターズ、ネットッ！！ 」
ペンギン達がネットに特攻するも、絡まり、威力が弱まっていく。
「そら！ カウンターだ！ 」
狩屋が空中を掻くと、ネットがボールを前へと弾き返した。
「さっすが狩屋君！ 」
「あははっ、どうも！ 」
葵ちゃんが歓声を上げるのを尻目に、ボールの落下位置へと私は急ぐ。マークを散らしながら向かうと、剣城もシュートチャンスを逃すまいと走ってきていた。
バチリと視線が交じり、火花が散る。
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しけ(プロフ) - らむさん» ありがとうございます！ 気づいたら無更新で2ヶ月過ぎようとしてますね…！？ 近いうちに必ず更新します！^^ (9月6日 18時) (
レス) id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
らむ(プロフ) - めっちゃ好きです…！更新お待ちしてます！ (9月5日 4時) (レス) @page27 id: 671cd1d58d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やに | 作成日時：2023年1月24日 19時
