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「お前こそ、こんな所に何しに来た？ 」
「反田さんのクラスに行ったら、何か怖い人に連れて行かれたって言うからさ。急いで追ってきたんだ」
「何で狩屋君が私のクラスに？ 」
「コレ、君のじゃない？ 」
狩屋君が目の前に差し出してきたのはファーストシードの証だった。どこかに落としてしまっていたのだろうか。剣城の手を振り解き、取り敢えず受け取る。
「それにほら、今朝の騒ぎがあったばかりだろ？ フィフスセクターの奴らに絡まれてるんじゃと思ったけど、……怖い人っていうのが剣城君の事で安心したよ」
「プププ。怖い人だってよ、剣城」
「……」
とはいえなんてタイミングが悪いのか。まるで見計らったかの様なタイミングで現れた狩屋君に増々不信感が積もる。
「あと日直の奴が反田さんの事探してたから、早く戻ってあげたら？ 」
「日直？ ……アァッ！ 連絡帳出してないのかも！ 」
剣城に一言またあとでと残して、これ幸いと私は教室へととんぼ返りした。
狩屋君がいてはアルティメットサンダーの事は話せないし、何をしていたのかと聞かれる流れになったら絶対に私がボロを出す。ここは剣城に狩屋君を上手くあしらってくれる事を期待しよう。
「……あれ？ 」
ちょっと待て？ 私、ファーストシードの証は常に首につけているから落とす筈無いんだった。
今私の手の中にあるこれ、誰の物なんだろう──？
.
.
.
「何話してたんだよ」
「……」
こんな性格だったか？ ──剣城はいつもとは違う声色の狩屋に内心戸惑った。
「怪しまれる様な事、しない方がいいんじゃないの？ 」
「お互い様だろ」
「……どういう意味？ 」
「お前はシードなのか？ 」
「はぁ、俺がシードね。何でそう思う訳」
「さあな」
実は剣城は反田に説明を受ける前に、既に霧野から事のあらましは聞いていた。そして狩屋がシードの疑惑をかけられている事も、他にシードが潜んでいる可能性も頭に入れていたのだ。
「ま、どうでもいいけどさ」
「随分強がるんだな」
「強がる？ だって俺、ホントにシードじゃないし」
「なら何で反田に付き纏う」
「付き纏うってか、警戒して当然だろ？ あんな危ない奴。もしかしてアイツがシードになった理由、知らない？ 」
「……何？ 」
「うわ、知らないんだ」
心底馬鹿にして狩屋は剣城を笑う。
「剣城君さ、ちょっと耳貸して。俺がなんで雷門に来たか教えてやるよ」
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作者名：やに | 作成日時：2022年9月11日 21時
