Ｎｏ．１２【inzmGO】CEN (ページ2)

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「お前達に話しておこう。昨日、監督の鬼道と話をした」

　歩きながら円堂さんが語りだしたのは、昨夜鬼道さんと交した会話の内容だった。

『黙っていて悪かったな。俺達はレジスタンスだ。フィフスセクターへの反乱軍とでも言えばいいかな』
『反乱軍？じゃあ、帝国学園が支配下にあるって話は』
『敵の懐に入る為の芝居にすぎない。今日の試合は、帝国サッカー部に潜んだシードを炙り出す為でもあったんだ。普段の活動の中で、選手達の中から洗い出すのは難しくてな』
『なっ……』

　フィフスセクターが準決勝の組み合わせを急遽変更した時は流石の鬼道さんも驚いたらしいが、これはチャンスだと考えたのだと言う。
　フィフスセクターに逆らい続ける雷門との試合は、勝敗の取り決めが無い試合となる。フィフスセクターに所属しない者は雷門との久しぶりの本気の試合を楽しむ筈だ。しかし、シードの使命を持った者は違う。試合展開で雷門に押されているともなればプレッシャーを受けて、その動きは余裕のないものになっていく筈だ。
　そして鬼道さんは動きの変化でシードが誰かを見抜く事ができるとの事だった。

『これで帝国学園から、完全にフィフスセクターを完全に排除できる。全ては反乱軍としての帝国サッカー部を作り上げる為だった』
『それで……シードは見抜けたのか？』
『あぁ。彼らは遠からず、帝国を去る事になるだろう』

「帝国戦にそんな狙いがあったなんて」
「俺は君達に感謝している。あの熱さ、あれこそがサッカーだ」

　雅野がそう言って微笑む。
　今まで自由なサッカーをする事で非難は受けてきたが、こうして感謝されるなんて皆初めてで、なんだか胸がむず痒い。
　佐久間さんが電子パネルを操作して扉開ける。

「ちゅーか、この扉って」
「この間開けられなかったやつですよね」

　うわっ、私がつけた凹みがまだ残っている……バレませんように……。
　中は大きなエレベーターで、十人以上いるのに余裕の広さだ。快適な速度で下へ下へと降っていく。

「ほわああ〜〜！秘密基地だ！」
「俺もドキドキしてきた！」
「ふぅ、二人共ちびっ子すぎ」

　騒ぐ信助と松風を笑う葵ちゃん。

「これから諸君に会ってもらうのは、俺達レジスタンスの中心人物。俺達はこの方と共に、今のサッカー界に革命(・・)を興そうと考えているのだ」

　革命──
　歴史の教科書でしか聞かない単語が出てきて、雷門の皆は動揺した。