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「ああ。次の対戦相手についてフィフスセクターから通達が出されたからな」
「次の対戦相手は前から青葉学園って決まってる。……まさか」
「そうそのまさかだ。雷門の準決勝の相手は帝国学園に変わった」
帝国学園──昔から同地域に存在するサッカーの強豪校として切磋琢磨してきた、雷門とは切っても切り離せない因縁がある学校だ。
「ちゅーかそれって、強引に帝国と青葉のブロックを入れ替えたって事？ そこまでやる？ 」
「そこまでして帝国学園をぶつけてきたなら、当然向こうはフィフスセクターの息がかかったシードだらけって訳じゃねぇか。連勝もここでストップだな……」
「もう駄目ですね……。フィフスセクターが本気になったんです」
「そんな、試合が始まる前から諦めないでください！ なんとかなりますよ！ それに帝国学園と戦えるなんて凄いじゃないですか！ 雷門ＶＳ帝国、俺ワクワクします！ 」
「フン。南沢さんはいないし、こっちにはシードが二人もいんだぜ？ 勝ち目はねえよ」
倉間先輩が私と剣城を交互に睨む。
「え、私もですか！？ シード差別です！ 剣城も何とか言ってよ！ 」
「いちいち掴みかかるな。チッ、おい揺さぶるな！ ……それにソイツの言葉は間違ってないだろ」
「え？ 」
「俺はお前達の仲間になった訳じゃない。あの試合は万能坂の奴らが気に入らなかったからやっただけだ。次の帝国学園戦ではお前らに負けてもらう」
剣城が鋭い目つきで、神童先輩を刺す様に見つめた。
「何を言われようと負ける訳にはいかない。俺達はホーリーロードを優勝して、自由なサッカーを取り戻すんだ！ 」
「やってみろよ。やれるもんならな」
「あのー」
険悪なムードの中、切り出したのは狩屋君だ。
「そう言えば職員室で、音無先生は帝国学園行きのバスに乗ったって聞いたんです」
「なっ、帝国に？ 」
「まずいんじゃないですか？ このタイミングで対戦相手の所に行ったって、どう考えても無関係な用事じゃなさそうですけど」
「何でそんな大事な事をすぐ言わないんだ……！ 」
「えぇ、だってそこの彼が話を遮っちゃったんで」
狩屋君が隣にいた霧野先輩に怒られて肩を落としている。
「どうする神童。もう練習どころじゃないぞ」
「そうだな……」
「はいはい！ 」
「何だ浜野」
「二つのチームに分かれるのは？ 一つは音無先生を探しに帝国学園に行く。もう一つは理事長室に行って円堂監督にこれからの指示を仰ぐ。どうよ？ 」
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作者名：やに | 作成日時：2022年8月26日 1時
