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「しかしだからといって危険な場所にむざむざ彼を呼ぶのは得策ではない。立香君は人類最後のマスター。くどい程用心深くなって然るべきだろう。それに、私の見立てならこの特異点は彼無くとも攻略可能だ。勿論ダヴィンチ、君の助けがあればの話だが」
「あぁ勿論、それは安心してくれていい。じゃんじゃん私を頼ってくれたまえ」
「頼もしい限りだ。ではこちらの状況を軽く話そう」
現地で藤丸立香の代わりに自分のマスターになっている男。
特異点は日本の地方都市かつ現代であり、エーテル濃度も低く、データにある冬木市の様な汚染は見られない。
この地では聖杯戦争が行われており、聖堂協会と魔術協会の人間が監督役をしている。
アサシン陣営とキャスター陣営について。
そして何より、ルーラーでは無くアーチャーとしての在り方──
「呼ばれた時より自分に対して違和感があった。右腕が無いのが一番の悩みの種だったが……それがあっさりと解決した以上、このアーチャーという在り方が喉に刺さった魚の小骨の如く私の思考を乱してくる」
「え！ 本当だ！ 焦ってて見落としていたけど、君の霊基がルーラーじゃない！ 弱体化や側面の変化による霊基のランクダウン？ いや、カルデア式の召喚で呼ばれている上に右腕が無いのなら、君は間違いなくルーラーである筈だ。どうしてアーチャーになってるんだろう……？ 」
「調べてくれないか。弱体化しているのは本当でね、自分がどうしてアーチャーになっているのかさっぱり検討がつかない」
ダヴィンチの懸命な調査により、彼の霊基及び宝具が変更されている原因は案外すぐ判明した。とある犯罪皇帝をちょっとキツめに──具体的に言うなら種火周回に連れ回す等して──詰めると、彼はケロッと事の顛末を話し出す。
「押し付けたんじゃないですー！ アイツが勝手に借りてったんですー！ ……まァ、そもそもアーチャーとしての私が持つ宝具は概念装備だ。使おうと思えば誰だって使えるし、自分の物に出来る。あぁ！ そうそう。ほんのちょっとだけ、悪知恵も貸したがネ」
手口は回りくどく、ホームズの尊厳を踏みにじりかねないものだったとはいえ、悪党なりにマスターを思っての行動ではあった。
現実は小説より奇なり──ホームズが
隻腕のアーチャーは、探偵としての彼が弱ったこの瞬間にのみ誕生した「主人公ではないシャーロック・ホームズ」だ。
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しけ(プロフ) - 眠る兎さん» ありがとうございます！ずっとここに残っていると思うので、ふと気の向いた時にまた自作のオベロンと聖杯戦争を駆け抜けて貰えればと思います^^ (8月20日 15時) (
レス) @page25 id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
眠る兎 - とても面白かったです。この作品に出会えて良かったです。時間の作れた時に是非また読みたいと思います。 (8月20日 9時) (レス) @page21 id: e3b5fe12a0 (このIDを非表示/違反報告)
やに(プロフ) - 何者にもなれない者さん» ここまで読んでいただきありがとうございます！ 急ぎ足でしたが一つ完結という形を取れてホッとしております(^^) コメント感謝です…！ (2022年1月31日 0時) (レス) id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
何者にもなれない者 - 面白かったです！最高でした。完結おめでとうございます。 (2022年1月4日 15時) (レス) @page25 id: a6de92b5ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やに | 作成日時：2021年8月31日 23時
