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「すまない。だが、つい今しがた自分がカルデアにて呼ばれたサーヴァントだと思い出したんだ。君から連絡を貰えなかったら、私は聖杯戦争が終わるまでずっと自分がどうしてここにいるのか理解せずに消える羽目になっただろう」
この微小特異点にいるサーヴァントは皆カルデアの召喚式で呼ばれていながら、カルデアや正規のマスターである藤丸立香に関する記憶を忘却する。
カルデアから接触されれば思い出すが、今回のアーチャーの様に通信が繋がる事は殆どない。
この特異点はとある性質を持っている──その為、常にサーヴァント一騎ずつの精神状態をよく監視していなければ発見できないのだ。しかし万年リソース不足のカルデアがサーヴァント個々人を詳しく見張るのは不可能。
今回アーチャーがカルデアと接続出来たのは、瀕死の彼を、カルデアの頭脳たるダヴィンチが直々にバイタルチェックを行っていたから、というのが大きな理由だ。
「君は励起状態で、その上霊基を酷く損傷している。立香君をそちらにレイシフトさせてあげたいが……」
「構わないよ。今は異聞帯の攻略に重きを置くべきだ。北欧空想樹の切除の大役を前にして彼への負担を増やすのは」
「違うんだホームズ」
「ふむ、違うというと？ 」
「我々は既に北欧異聞帯を攻略した。詳細は省くが私達は北欧を出た後、白紙化を免れたアトラス院に匿って貰っている」
「何──」
「単純な話さ。立香君はその特異点にレイシフト出来ないんだ」
藤丸立香はレイシフト適正１００パーセントを誇るマスターだ。故に彼女の発言にはアーチャーも思わず二度聞き返してしまった──本当かい？
「あぁ。正確に言うならその特異点には藤丸立香がいる事になっていて、シュミレーターが勝手に彼の存在を混ぜて一つにしちゃうんだ。名前が同じファイルを機械が勝手に統合してしまう現象と似ているね。……レイシフトは、可能だ。けど万が一が起こると取り返しがつかない。こんなエラーが起こる可能性としては、平行世界の立香君、もしくは立香ちゃんがその特異点に既にレイシフトしているとしか考えられないんだが、君は私の仮説をどう思う？ 」
「……断言しよう、藤丸立香はこの特異点にはいなかった」
「礼装によって隠匿されていた可能性……は無いか」
「そうだ。私の前で隠すという行為は意味を成さない。寧ろ隠せば隠す程に材料は増え、私の推理は精度を増す」
探偵、解き明かす者とはそういう存在だ。
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しけ(プロフ) - 眠る兎さん» ありがとうございます！ずっとここに残っていると思うので、ふと気の向いた時にまた自作のオベロンと聖杯戦争を駆け抜けて貰えればと思います^^ (8月20日 15時) (
レス) @page25 id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
眠る兎 - とても面白かったです。この作品に出会えて良かったです。時間の作れた時に是非また読みたいと思います。 (8月20日 9時) (レス) @page21 id: e3b5fe12a0 (このIDを非表示/違反報告)
やに(プロフ) - 何者にもなれない者さん» ここまで読んでいただきありがとうございます！ 急ぎ足でしたが一つ完結という形を取れてホッとしております(^^) コメント感謝です…！ (2022年1月31日 0時) (レス) id: 73f24c4202 (このIDを非表示/違反報告)
何者にもなれない者 - 面白かったです！最高でした。完結おめでとうございます。 (2022年1月4日 15時) (レス) @page25 id: a6de92b5ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やに | 作成日時：2021年8月31日 23時
