# 何気ない中にある幸せ ページ3
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《 石川祐希 》
首元で光る指輪。基本的にはネックレスに通してプレーの邪魔にならないようにしている。これを見ると毎回思う。
「俺結婚したんだ」って。
今も、キッチンを見れば鼻歌を歌いながら料理をしているA。律儀にネイビーのエプロンもしてて可愛いな、なんて。
インスタでお互いに報告をした途端、鳴り止まない通知音。今はイタリアにいるけれど婚姻届はちゃんと日本で出してきた。
通知音でうるさいスマホを見れば、(特に)全日本のメンバーからのLINE。しかもグループLINE。藍うるさ、
『祐希、スマホの通知音やばくない?笑。返信しなくて大丈夫なの?』
祐希「ほとぼりが冷めるまで置いとく。多分今あの人たち何言ってもうるさそうだから笑」
『確かに笑』
祐希「今日のご飯は何?めっちゃいい匂いする」
『ロールキャベツですよ〜。ちゃんとトマトソースじゃないからね。コンソメスープですから』
祐希「おぉ〜、さすがですね〜」
こんな会話さえもめちゃくちゃ嬉しくて楽しい。いかにも新婚さんって感じじゃない!?
試合中のAからは感じられないこの優しくて暖かくてふわふわした空気がなんとも言えないくらい好き。
『祐希、フォークとか用意してくれない?』
祐希「おっけー」
『今気づいた。私と祐希のお茶碗の大きさ一回りくらい違う。』
祐希「ほんとだ。俺のめっちゃデカい笑」
あぁー、幸せ。
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作者名:抹茶らて | 作成日時:2023年10月17日 2時