キスして抱きしめて (ページ14)

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# 出会いページ14

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《石川祐希》

今思えばあれは一目惚れだったのかなと思う。
2015年の代表合宿、男女合同の時だった。

練習後、体育館にタオルを忘れたのを思い出したのが始まり。

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祐希「うっわ、タオル忘れた……｣

柳田「タオルなら早く取ってこい。その日のうちに洗わないと最悪なことになるから｣

祐希「取ってきマース……」

さすがにもう鍵しまってるよな〜、なんて思いながら行けばドアの隙間から漏れている照明。

しかもボールを打つ音が聞こえる。

祐希「まだ誰か残ってるのかな…」

ドアの隙間から恐る恐る覗いてみると、体育館には1人の女の人。
綺麗な黒髪をひとつに結んでいて、サーブの練習をしていた。

祐希「望月A…、｣

彼女のことは噂程度だけど聞いていた。
｢イタリアに住んでいる日本人が今回招集された｣、と。

だけど今日、彼女のプレーを見てわかった。

“ 只者じゃない ” って。

スパイクもパワーとコントロール力があり、アウトサイドヒッターなのにレシーブも上手い。
そしてとにかくサーブが凄かった。

アウトラインギリギリに打ち込んだり、いきなりカーブを描いたり、自分が相手チームだったら絶対にサーブして欲しくないと思うほどだった。

そんなすごい彼女が、今、1人で練習している。

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