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はち ページ8

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機能回復訓練も順調に終わり、炭治郎さんと嘴平さん、そして我妻さんは瓢箪を割り新しい任務へ向かう。




結局、炭治郎さんに相談したが我妻さんと話すことはなかった。




「A、世話になった。ありがとうな。」




「いえ。

……ご武運を。」




「あぁ。」




そう言うと炭治郎さんは近くを通った水柱さまへ向かい走っていく。



なほ、きよ、すみがお渡ししたおにぎりとは別に水筒を嘴平さんに渡そうとすると横から我妻さんが受け取った。




「……伊之助に渡すと全部飲まれそうだから。」




今までは目を見て喋ってくださっていたのに気まづそうに斜め下を見つめている。



「そ、うですね。

では我妻さん、よろしくお願いいたします。」



「うん。」




本当は、今日こそは話すって朝日が昇るたびに思っていたの。



でも、本人を前にすると声が出なくて。



なのに急に任務を告げる鴉が来たから最後のチャンスだと思った。




気を付けて、くらい我妻さんに向けて言いたいのに上手く喋れなくて3人に向けてじゃないと言えない。




それじゃあ、と背を向ける3人はこちらを振り返る様子がなくて。








……本当にこのままでいいの?




何が起こるかわからないのに、これが最後かもしれないのに何も言えないままで。



でも何を言えばいいのかわからない。



ぐるぐると考えていると我妻さんがくるりとこちらを向いた。




「この任務が終わればAちゃんのところに戻ってくるから!

それまで待ってて!」




我妻さんが真っ直ぐに私を捉えていた。




たったそれだけのことなのに、言葉なのに、何故か涙が溢れてきそうで。



「待っています。

どうかお気を付けてっ。」




上手く息が吸えなくて声を張り上げることは出来なかったけどあなたの耳には届いているんでしょう?

く→←しち



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作者名:あいかわ | 作成日時:2020年4月7日 1時

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