じゅういち ページ11
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でーと、を誘われるようになって1週間が経った。
我妻さんは懲りずに会う度にでーとでーとと言ってる。
「……アオイかカナヲ。
我妻さんがしつこいから余裕がある日、1時間でいいから代わりに行ってくれない?」
「でーと?
どうしてAは行かないの?」
「…ちょっと距離を取りたくて」
「ふーん。
別に私はいいけど我妻さんは私たちにそんなこと言ったことないわよ。」
「え?」
カナヲは自分もそうであるかのように何度か頷く。
ありえない。
あれだけでーとでーと言っている我妻さんが鬼殺隊の中でも美人なアオイとカナヲを誘ってないとは。
しのぶ姉さんはどうかな。
しのぶ姉さんの部屋に向かう。
「誘われていませんよ?」
ニコニコと笑顔で答えるしのぶ姉さん。
今日も素敵な笑顔でございます。
「えー、おかしいな。」
「きっとそういうことですよ。」
「?
そういうことってなんですか?」
ふふふ、と笑う姉さんも謎だ。
首を傾げると失礼します、と我妻さんが入ってきた。
「しのぶさーん。ってAちゃん!
どうしたの?」
「我妻さんとのでーとの話をしていたんですよ。ね?」
「え!?ホント!!?
それはでーとに行ってくれるってことだよね?ね??」
顔をデレデレさせて私の手を握ってきた。
「ち、違います!
我妻さんだから他の女性にも言われてると思って…。」
そう言った瞬間、我妻さんの雰囲気ががらりと変わった。
「俺はAちゃんにしか言わないよ?」
ち、ちかいちかい!
何も答えられずしどろもどろしてると姉さんが助け舟を出してくれ……
「ほらほらお2人で行ってきてください。」
くれるはずがなかった。
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作者名:あいかわ | 作成日時:2020年4月7日 1時