30cm ページ30
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｢相澤先生！｣
相澤先生は猫を撫でる手を止めてこちらを見る。
｢おぉ、宇宿。
卒業おめでとう。｣
｢ありがとうございます。｣
座るか？とすぐ隣をポンポンとするから私も座った。
すると猫が私の膝の上に乗ってくる。
かわいいな、餌を持ってくればよかったなんて後悔しながら猫を撫でると猫がにゃーと鳴く。
2人とも喋ることなく猫を愛でる。
2、3分くらい沈黙が続いたあと相澤先生が口を開いた。
｢こうしてると前に猫カフェに行ったことを思い出すな。｣
｢そうですね。
あれから2年半か……。｣
何がなんでも速すぎる。
高校3年間なんて本当にあっという間だった。
｢こうやって歳をとっていくんですね。｣
｢おいおい、まだ若いやつが何言ってんだ。｣
｢早く大人になりたかったんです。｣
なりたかった。
相澤先生の隣に立てるように。
｢先生が高校生の時に会いたかった……。｣
ぽつりと零した本音は相澤先生に届いているのだろうか。
｢あ、Aと先生いた！！！
もう！探してたんだよ！？｣
｢ごめんごめん。｣
｢元１-Ａで写真撮ろうぜ｣
早く並んで〜と三奈ちゃんが仕切って近くにいた父兄にカメラを渡す。
皆で撮るなら詰めないと皆が入りきらなくて結構ぎちぎちだ。
私の右にいる相澤先生との距離があの夜と同じくらいに縮まる。
体の右半分が熱い。
早く終われ終われと唱えていると
右手がぬくもりに包まれた。
｢俺も、ずっとそう思ってたよ。｣
驚いて相澤先生を見上げるとタイミング悪くシャッター音が聞こえた。
｢そこの子、カメラ見ないと〜｣
｢あ、すみません！｣
皆に何してんだよって茶化されたけどごめんとしか言えなかった。
またポーズをとってシャッターが切られるのを待つ。
皆に気付かれないように相澤先生の手を握り返した。
写真を撮り終わって後で皆が散らばっていく。
いつの間にか手は解けていた。
｢先生、さようなら。｣
｢はい、さようなら。｣
相澤先生はいつものようにぶっきらぼうに返事をした。
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あいかわ(プロフ) - りぃ楼さん» ありがとうございます！！なんとか最後まで書けてよかったです！笑 (2020年5月22日 1時) (
レス) id: 9f89ec83c6 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ楼(プロフ) - 完結おめでとうございます。最初から最後までドキドキでした…！久しぶりにこんなにドキドキする作品に出会えました。ありがとうございます。お疲れ様でした…！ (2020年5月21日 17時) (レス) id: 9478333b23 (このIDを非表示/違反報告)
あいかわ(プロフ) - ユイさん» ありがとうございます！終わらせ方が分からなくて中途半端に終わってしまって申し訳ないです…。読んでくださってありがとうございます！！ (2020年5月20日 3時) (レス) id: 9f89ec83c6 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - すごく面白かったです！！モヤっとしたところやドキドキするようなシーンもあって読んでて楽しかったです！ (2020年5月20日 3時) (レス) id: c37e0e7b77 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - え、これからどうなるんですか……更新待ってます。 (2020年3月15日 2時) (レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいかわ | 作成日時：2019年9月5日 23時
