恋と勉強と暗殺と１【赤羽業】 (ページ9)

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業「へー、本トに早いし本トに効くんだこのナイフ。細かく貼っつけてみたんだけど」

わたしは、さっきの赤髪少年のナイフ術を脳内でリプレイさせていた。

…見とれてしまった、あのナイフ術に。

赤髪少年はジリジリと先生に詰め寄る。

業「殺せないから"殺せんせー"って聞いてたけど…あッれェ？せんせーひょっとしてチョロイひと？」

殺せんせーが赤髪少年の挑発に怒ったことが分かった。

わたしは、すぐさま駆け寄った。

『それ！すごいね！』

業「…」

わたしが指さしたのは、さっきナイフを手首から出した腕時計みたいなやつ。

『どこに売ってるの？あ、もしかして自作……ご、ごめんなさいいきなりっ！』

感情が高ぶったとき、我を失うのは昔からだ。

寺坂くんが渚を大切にしなかったときだってそう。

殺せんせーの言う通り、行動のほうが先に出てしまった。

これは直さなきゃなぁ…

業「…んーんいーよ。これねー、作ってみたんだ」

『つ、作った！？すごい…』

業「キミなんて名前？俺赤羽業」

『あ、AA！』

わたしより当然背が高い赤羽くん。

名前の通り、髪が赤いんだなぁ…

業「おっけーAね」

『！？よ、呼び捨てっ？』

業「いいじゃんクラスメイトなんだしさ」

赤羽くんは、じゃあまたねー、と言ってわたしの頭をポン、と撫でて教室に向かった。

『……っっ！？』

撫でられた頭があつい。

顔もあつい。

もしかしてわたし……一目惚れした？

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