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「なーんだ殺せんせー怖かったのかぁ」

「それなら正直に言えばよかったのに」

「ねー!怖いから逃げたいって」


皆が次々に悪ノリをしている。

わたしは悪いけど、そんな気分になれなかった。

ものすごく、悔しいから。


殺「にゅやーッッ!!逃げるわけありません!期末テストであいつらに倍返しでリベンジです!」


赤くなって怒る殺せんせー。

それに対してわたし以外皆笑っていた。

わたしは小さくため息をついた。




業「それはいいからさ殺せんせー、あそこにいる小さいの励ましてあげてよ」

殺「にゅや?Aさんですか?」


名前を呼ばれ、ドキリとする。


業「そうそう。特に数学頑張ってたんだけど本校舎(あいつら)の妨害のせいで点取れなかったみたいでさ」


…なんで分かったのかと思い、驚いて前を見る。

赤羽くんと殺せんせーだけでなく、クラス全員がこちらを見ていた。


赤羽くんの得意教科だけでも赤羽くんより点数が高かったら、褒めてくれるかと思ったから特に数学に力をいれた。

赤羽くんは察しがよすぎる。



殺「…ヌルフフフ、動機は不純にしてもAさんの過去の成績を見ると確かに成績は上がってますね〜特に数学は」

『うっ……』


ニヤニヤとした表情の殺せんせー。

動機は不純って…もしかしてわたしの好きな人がババレた!?

赤羽くんの次にバレたくないやつなのに…!


殺「Aさん安心してください、あなただけテストの結果が悪かったのではありませんよ。悔しいからこそ次の期末でリベンジなのです。分かりましたか?」


…殺せんせーはすごい生物だ。

わたしの気持ちを見透かされ、赤羽くんの言ってくれた通り励ましてくれた。


気分がスッキリしたかもしれない。

もちろん悔しい気持ちは忘れずに。



『…はいっ!』

殺「いい返事です。まぁあなたの想い人は誰なのか知りませんがそちらの方も頑張ってくださいねぇ」

『!そ、そんなことは公表しないでいい!!』


そしてクラス中が笑いに包まれる。

わたしは恥ずかしい気持ちでいっぱいだった。

名前まではバレてないけど…殺せんせーのせいで好きな人がいることは確実にバレた。



寺坂「お、お前好きなやついんのかよ」

『2回も言う!?あーもう絶対殺してやるっ』

寺坂「…」


寺坂くんから目線を移す。

すると、まだ教卓にいる赤羽くんと目が合ったような気がした。

さっきの今で恥ずかしくなり、すぐに目線を逸らしてしまった。



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作者名:スアノ | 作成日時:2018年12月30日 19時

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