恋と勉強と暗殺と１【赤羽業】 (ページ32)

今日:18 hit、昨日:2 hit、合計:4,417 hit

・ページ32

.

業「……大丈夫？」

『…あ、う、うん！ごめんありがとうっ！』

わたしの腕を優しく掴んでくれていた赤羽くん。

恥ずかしすぎる…！！

よりによって赤羽くんの前なのに！

赤羽くんを見ると、腕を離さずじっとわたしを見ていた。

『…あの、赤羽くん？』

業「…A」

『うん？』

業「俺さ……、」

赤羽くんの瞳に吸い込まれそうなまま、わたしも赤羽くんを見ていた。

真剣な表情を見せた赤羽くんが口を開いた瞬間、

岡野「イェーイ！いっちばーん！！」

矢田「もうひなたちゃん早いよ…」

中村「勝てるわけないない！…てあれ？そんなとこで何してんのよおふたりさん」

走ってきた3人に驚き、勢いよく掴まれてた腕を離した。

あ、危ない…どうやら腕を掴んでた光景は見られてなかったようだ。

『べ、別に！偶然会っただけ！』

岡野「へぇー、前から思ってたけどカルマくんと仲良くなったよね！」

矢田「あ、わたしも思ってた」

赤羽くんはフラっとわたしから離れ、代わりに岡野さんと桃花ちゃんが横に来る。

裏山を出て、何話してたの？とか、赤羽くんの隣の席どう？とか質問攻めされる。

わたしはそれに、曖昧に答えていた。

…赤羽くんは何を言おうとしてたんだろう。

中村「もしかして邪魔した感じ？」

業「べっつに～」

中村「ごめんごめん、あれ？顔赤いよ～？」

業「…冗談やめてくれる」

そんな会話はわたしには聞こえなかった。

.