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教室は静まり返り、イリーナ先生に目線が集まる。
イリーナ先生はカツカツとヒール音を鳴らしながら教卓の前に立ち、黒板に英語を書いた。
イ「 "ユア インクレディブル イン ベッド！" リピート！ 」
…え？なに？
クラス全員がポカーンとなった。
イ「ホラ！」
「『…ゆ、ユーアー インクレディブル インベッド』」
『？赤羽くん言った？』
業「俺そんな言葉使わないもん」
そんな言葉って…意味分かるんだすごい。
そしてわたしに飲みかけのイチゴ煮オレを渡してきた赤羽くん。
お礼を言い、もらったイチゴ煮オレを飲みながらイリーナ先生に目を移した。
イ「アメリカでとあるVIPを暗殺したとき、まずそいつのボディーガードに色仕掛けで接近したわ。その時彼がわたしに言った言葉よ、意味は "ベッドでのキミはすごいよ…"」
『ぶふっ！ゴホゴホッ…』
驚きのあまりむせてしまった。
赤羽くんに、大丈夫？と笑いながら心配される。
う、恥ずかしい…。
イ「わたしの授業では、外人の口説き方を教えてあげる。プロの暗殺者直伝の仲良くなる会話のコツ、身に付ければ実際に外人と会った時に必ず役立つわ」
…ほぉー、なるほど。
英語が嫌いなわたしにはチャンスかもしれない。
イ「受験に必要な勉強はあのタコに教わりなさい。わたしが教えられるのはあくまでも実践的な会話術だけ」
それだけでも、充分。
そしてイリーナ先生は、手のひらをクロスして恥ずかしそうに口を開いた。
イ「もし…それでもあんた達が私を先生と思えなかったら、その時は暗殺を諦めて出て行くわ……そ、それなら文句ないでしょ？…あと悪かったわよいろいろと」
最後の謝りの言葉は小さすぎてよく聞こえなかったけど、イリーナ先生が謝るのはびっくりした。
絶対謝らない人だと思ってたのに…
烏間先生になにか言われたのかな？軽く学級崩壊したとき廊下から見ていたし。
イリーナ先生の怯えてる様子に、わたし達クラス全員は大笑いした。
前原「なんか普通に先生になっちゃったな」
岡野「もうビッチねえさんなんて呼べないね」
イ「…！あんた達…分かってくれたのね」
『あははっ、泣くほど？』
感動しているイリーナ先生に、少し親近感を感じた。
そして結局呼び名はビッチねえさんからビッチ先生と変わり、イリーナ先生は怒りながら授業を進めた。
わたしは申し訳ないからイリーナ先生のままでいこうと思った。
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作者名：スアノ | 作成日時：2018年12月30日 19時
