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殺せんせーが赤羽くんを、ゆっくり崖の上に降ろした。
……よかった、本当によかった。
渚「…カルマくん、平然と無茶したね」
業「別にぃ……て、え？なんで泣いてるのA」
『…っ、泣いてない！！』
業「いや泣いてるでしょどう見ても」
たくっ、と言いながらわたしの目を腕でグイッと拭く赤羽くん。
『か、カーディガン汚れちゃうじゃん…』
業「別にいいよそんくらい。で？なんで泣いてるの？」
『……あ、赤羽くんが落ちるからじゃん…っ！』
またポロポロと涙が地面に零れる。
それを隠すように、今度は自分の腕で拭いた。
一目惚れした相手が崖から落ちたら誰でも驚く。
でも、今こうして殺せんせーのおかげでまた話せてることに安心して涙がでた。
こんなのは口が裂けても言えないけど。
業「…もうしないから泣くなって。Aって意外と泣き虫なんだね？」
『ち、ちがう！』
渚「確かに小学校のとき結構泣いてた気が…」
『渚は余計なこと言わないで！』
ごめん、と謝る渚に、呑気に笑っている赤羽くん。
とりあえずホッとして、わたしも笑った。
業「今のが考えてた限りじゃ1番殺せると思ったんだけど、しばらくは大人しくして計画の練り直しかな」
殺「おやぁ？もうネタ切れですか？報復用の手入れ道具はまだたくさんありますよ？君も案外チョロいですねぇ」
なぜか顔パックやカチューシャなど、訳の分からない道具を殺せんせーが持っている。
必要ないのに、と思いながら殺意が湧いてきた。
業「殺すよ、明日にでも」
そう言った赤羽くんの表情は、さっきまでとはちがう爽やかな表情だった。
殺せんせーもそれが分かって、安心したような顔を見せた。
業「帰ろうぜ渚くん、A。驚かせたお詫びと泣かせたお詫びにメシ奢るよ」
『本当！？…あれ、その財布って…』
殺「ちょっ、それ先生の財布！？」
やっぱり殺せんせーのだ。
いつの間に持ってきたんだろう…
その後の赤羽くんと殺せんせーの茶番に対し、渚と笑っていた。
明日はどうやって殺そうかな。
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作者名：スアノ | 作成日時：2018年12月30日 19時
