二択の時間 ページ13
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数学の時間に家庭科の時間、そして5時間目の国語の時間も赤羽くんは先生に暗殺を仕掛けた。
でも、全部失敗に終わった。
ガチで警戒してる先生の前では、この暗殺は無理ゲーだ。
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『あれっ?渚、赤羽くんは?』
放課後
赤羽くんの姿が見当たらず、渚に聞いた。
渚「…多分、あそこだと思う」
『あそこ?』
渚「一緒に来る?」
『…うん!』
渚について行き、着いた先は高い高い崖の上。
ここ崖になってたんだ…
朝裏山を登って登校するときにこの場所はいつも通り過ぎる。
でも来たのは初めてだなぁ。
渚の言う通り、赤羽くんは崖の上の木に座っていた。
渚「…カルマくん、焦らないで皆と一緒に殺っていこうよ。殺せんせーに個人マークされちゃったらどんな手を使っても1人じゃ殺せない、普通の先生とは違うんだから」
赤羽くんは向こうを向いているため、表情が読み取れない。
でも、なにか考えていることは察した。
業「……やだね、俺が殺りたいんだ。変なトコで死なれんのが1番ムカつく」
渚と顔を見合わす。
赤羽くんはなぜか先生というのに執着してる。
なにかあったのかな…
沈黙になっていると、後ろから殺せんせーがやってきた。
殺「さてカルマくん、今日はたくさん先生に手入れをされましたねえ。まだまだ殺しに来てもいいですよ?もっとピカピカに磨いてあげます」
舐めている表情でそう言う殺せんせー。
こちらを向いた赤羽くんの表情は、何かを企んでいるように見えた。
『…赤ば、』
業「確認したいんだけど殺せんせーって先生だよね?」
殺「?はい」
何を企んでるか聞こうとしたが、赤羽くんに遮られた。
心臓が、ドクドクという。
これは…嫌な予感だ。
業「先生ってさ、命をかけて生徒を守ってくれる人?」
殺「もちろん。先生ですから」
業「そっかよかった…なら殺せるよ。確実に」
そう言って銃を殺せんせーに突き出す赤羽くん。
その次の行動に目を疑った。
『!赤羽くん!!』
背中から落ち、目の前からいなくなった赤羽くん。
勢い余って走り出すが、渚に腕を掴まれ行動を制される。
渚を見ると、フルフルと首を横に振った。
『殺せんせー……あれ?』
殺せんせーに助けを求めようと振り向いたが、いなかった。
どこ行ったの?
…!もしかして…
渚と一緒に赤羽くんが落ちた先を見ると、黄色く大きい蜘蛛の巣みたいなものが赤羽くんの助けていた。
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作者名:スアノ | 作成日時:2018年12月30日 19時