5.フクザツ ページ6
古賀side
それからAは本気で俺の事を彼氏だと言った。
フクザツな気持ちだった。
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俺とAは幼なじみだ。
家が近くで小さい頃はよく公園で遊んだり、登下校が一緒やったりした。
Aは家庭に色々と問題があるみたいで、よく一人で泣いていた。
「また泣いてるん?」って言うと、「隼斗くん…うぅぅ……」ってまたたくさん泣いて、根拠のない「大丈夫。」しか俺は言えんかった。
「私はずっと一人なのかなぁ…」そう言ってAは泣くから、「俺がおるよ。」って言った。
最初は俺の中で" ただの幼なじみ "やったAがだんだんと"ずっと守りたい存在"になった。
その感情に気づいたら俺の中でAはもう特別で。
背が高くて、足が長くて、細くて、色が白くて、髪が綺麗で、誰にでも優しくて、泣き虫で、でもそんなとこも可愛くて。
どんなAも愛おしく思った。
俺もAの特別な存在になりたいって思って、めっちゃ一緒にゲームしたり、誕生日にもう寂しくならんように、やたらでっかいくまのぬいぐるみプレゼントしたり、Aが喜ぶかなって思う事はいっぱいした。
甘いもの好きなんも、半分以上Aの好みのせい。
高校生になったある日、俺はついに告白した。
でも、
「ごめん。私、今好きな人おって、隼斗くんの事そうゆう風にみれん。」
この言葉で終わった。
俺達にはなんとなく距離ができて、話す事も少なくなった。
告白した事を後悔した。
特別な存在じゃなくても、近くにいられる事がどんなに幸せだったのかわかった。
それから、気づいたらAには彼氏がおって、それは鮪やった。
俺はというと、まだAの事を好きな感情を忘れられないまま、引きずっていた。
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それは、今になっても同じ。
だから、俺にはどうしたらいいかわからんかった。
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adacomanon(プロフ) - ほんとによく出来た物語ですね (2017年11月28日 11時) (レス) id: e4f7bbe889 (このIDを非表示/違反報告)
ひるね姫(プロフ) - さとさん» はい(^-^)/今までありがとうございました!! (2016年1月5日 12時) (レス) id: 7b304ed9f7 (このIDを非表示/違反報告)
さと(プロフ) - お疲れ様でした。! (2016年1月4日 21時) (レス) id: cb58f924dc (このIDを非表示/違反報告)
ひるね姫(プロフ) - 心雨さん» コメありがとうございます!!!可愛いですか!!よかったです(ノ)`∨´(ヾ)泣かせてみた甲斐がありました(笑) (2016年1月3日 13時) (レス) id: 7b304ed9f7 (このIDを非表示/違反報告)
心雨 - 説教の部分の古賀が最終的に泣いてしまうのが可愛くて可愛くて仕方がないですww (2016年1月3日 1時) (レス) id: cfc7f44fd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひるね姫 | 作成日時:2015年11月6日 17時