番外編→クリスマス2 ページ29
巨匠side
「…はぁっ、Aっ！」
走ったせいか息切れをしながら、俺はただいまも言わずAの名前を呼んだ。
部屋のあかりがついている。
でも、Aはテーブルの上に突っ伏していた。
眠ってしまっているようだった。
テーブルの上にはぴっちりとラップのかかった、パスタとかチキンとかスープとかサラダとか、ケーキまでAお手製のごちそうがたくさんあった。
仕事で疲れてるはずなのに、頑張って作って、Aの事だからちゃんと起きて待ってたんだろうな。
「…ごめん、A。」
小さく呟く。
A「…んんっ、ともま、さ…」
起きたのかと一瞬思ったけど、それは寝言だったらしく、Aの瞼はまだ固く綴じられていた。
A「とも、まさ、…」
また、名前が呼ばれて、顔を覗き込むと、Aは眉間にしわを寄せて、悲しそうな表情をしている。
悪い夢でも見ているようだった。
「A…？」
A「ともまさ、…ともまさっ!!」
ぱっと瞼を開いたAの目にはたくさん涙が溜まっていた。
まるで遠い昔のように感じる、あの時みたいに。
A「うぅ…ともまさっ……」
ぎゅぅっと力を込めてAが俺の背中に手をまわす。
寝ぼけてる、のか？
A「私、絶対やだからね。行っちゃやだからね！」
「いや、どこにも行かないけど…てか、遅くなってごめん。」
A「連れてかれないでね!?私の方がいい子してるから…！」
全く俺の話を聞いていない(笑)
頭が混乱しているAの手を1度はなして、目をしっかり合わせる。
「A、俺はどこにも行かないよ。今日みたいに、遅れちゃう事はこれからもあるかもしれないけど、俺はずっとAと一緒にいたいから。だからもう泣くな。」
A「…うん。」
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ひるね姫(プロフ) - みうる。さん» コメありがとうございます！！！そう言ってもらえてとっても嬉しいです!!今度書く時は、もっと八木氏登場できるようなのにしたいと思ってるんですよ!!頑張ります（笑） (2016年1月20日 17時) (
レス) id: 7b304ed9f7 (このIDを非表示/違反報告)
みうる。 - 全体的に切ないのかな、と思ったら、所々にキュンキュンしてしまうような描写があったりで、とても読み応えがありました！ 個人的に、八木にゃんが連れて帰ったシーンはニヤニヤが止まらなくて…(笑) (2016年1月20日 0時) (レス) id: 1e0236c9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひるね姫 | 作成日時：2015年10月17日 20時
