血戦茶会/ Ortho ページ13
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「ああ、いらっしゃい。少し待ってて。」
「ヒッ、」
扉を開けた瞬間その隣に魔弾が撃ち込まれた。彼の手にはベレッタが握られており、荒れまくる室内を駆け回っていた。見知らぬ生徒と本物の銃撃戦が行われている。映画でしか見た事の無い光景を僕は瞳に押さえつつ、背後で目を見開いて固まる兄さんを警護した。兄さんだって見慣れている筈なのだが。
「この、クルーウェル擬き！」
「お生憎様！」
魔弾の連続発射。使用しているのは旧型の拳銃だが、彼用にカスタマイズしている訳でもないし、専用の弾が装填されている訳ではない。魔法は元来、仕組みを理解しかつ想像力が物をいう。彼は魔弾の発射条件を理解しかつ、銃口から魔弾が必ず発射されて相手に必中する事を疑っていないのだ。
「チッ、何処までもちょこまかと！」
「褒め言葉だ。」
ばん。魔法の発動する青い光を見た。サファイアの煌きが四散して最後の1人が崩れ落ちる。彼は溜息を吐くと白銀の拳銃を机上に置いた。青白い煙が魔法の強さを誇示している。彼は全て終わったとばかりに緩く手を振って微笑んだ。
「どうぞ。少し汚いですが。」
「うん、失礼しまーす。」
兄さんの辛い溜息を聴きつつも入室を促された僕は彼の前に向かう。彼は学園の備品であるウォウユーのカウチソファにゆったりと足を組んで座った。彼は毛羽立った古いソファに座っているというのに頽廃的で美しい。指輪の嵌った手を口元に沿わせて蠱惑的に笑う。
「ね、大きなお世話だ。」
「オルト、」
目にも止まらぬ速さで彼のマジカルペンが机上に置いた僕の左手のパーツの隙間を縫って直立する。ファンシーイエローダイヤモンドの魔法石が素知らぬ顔で燦然としている。マジカルペンと机上の間には先程迄彼女が嵌めていたであろう指輪が嵌っている。目にも止まらぬ早技であった。
「君だろ。この指輪の主は。君はクレジットカードを持っていないから兄さんに買って貰ったんだね。僕がか弱く見えたのかな。それとも僕が怖い？呪いを僕に掛けるなんて風流なことをする割には規模が小さい。怖いなら僕を殺すか、もしくは殺されるのが妥当だと思うけど。それともゆっくり楽しみたかったのかな。でも、こんなにつまらないのはダメだ。僕は君に期待してるよ、オルト。」
Secret Lilly / Leona→←血戦茶会/ Ortho
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鵯(ひよどり)(プロフ) - toraさん» 勤勉なる原書様、ご機嫌麗しく御座います。もう一つの方のコメントも大変有難うございます。お気に召していただき光栄に御座います。様々なカテゴリーを無造作に飛び回っていますので、いつかまた貴殿のお気に召す作品を認められたらと思います。 (2022年3月6日 2時) (
レス) id: 72d1a498da (このIDを非表示/違反報告)
tora(プロフ) - 何故、星に色がついていないのですか？？好き。貴方が書かれる文章とても好きです。 (2022年3月5日 23時) (レス) id: 57d5a3265f (このIDを非表示/違反報告)
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