恋して愛して_2nd (yt×ym)

◇ ページ15

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「ただいまー」




『あ、おかえり！今日は遅かったんだね』









玄関の戸を開ければ、奥から漏れてくる光で、今日も山田くんが居てくれていることがすぐに分かった。


少し声を出して、ただいまと言えば







ぱたぱた、小走りしてくる音が聞こえて

ピョコっと、扉から山田くんが顔を出した。









まさか、


コンビニでだいぶ時間を割いてたよ、




なんて、言えるわけない。









ふふ、と笑ってやり過ごせば







『ご飯出来てるから食べる？先にお風呂がいい？』






「はぁ、やっぱ無理。閉じ込めときたい。」





『は？……っ、ちょっ…？！』











彼から溢れ出る、彼女…を通り越した
まるで熟年夫婦のお嫁さんのような姿に


抑えていた独占欲とか、そういう類のものが溢れ出てくる。









ぎゅうっと、彼を抱きしめれば

俺より、ひと回りもふた回りも小さいその身体は
するんと、収まって




さっきまで、ちょっとばかし暴れていた山田くんも





抱きしめる腕の強さを加えれば

しゅん、

と大人しくなった。








鼻を燻る甘い香りは、彼の持つ香りで。








ゆっくりと俺の腰に回された腕が

より、君を離したく無くならせてしまう。









『……すごく可愛かった。』







「…恥ずかしいから見ないでって…」







『俺以外にも、あんなに可愛い顔見せるんだね。』









我慢が出来なくて、つい口にしてしまったのは
情けないくらいのただの嫉妬だった。



それでも、どうしても悔しくて、





彼の後頭部に回していた手が力んで、


くしゃ、


と髪の束を掴んだ。









「…っそれは……！」









ビクッと、肩が揺れた山田くんが

ぎゅうっと音がしそうなくらいに俺を抱きしめてきて









静かな部屋に、

俺の胸元に、





小さく言葉を紡いだ。









“ ゆうとくんの事…考えてたからだってば…… ”









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