55.不調 ページ7
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ステージに戻るとファンの歓声で振り返るメンバー
MH「《おかえり〜〜！！》」
ミノが手を上げて近づいてくるので軽くハグをする
"…大丈夫？"
耳元で小さく囁かれたその声に応えることはできなかった。
俺が話せる状態じゃない分、キーヒョンが話を繋いでくれてその間に俺は代わりに、と渡されたイヤモニをいじっていた。
JH「耳に合ってないんじゃない？」
『ん〜…大きいのかな…落ちるんだよね…』
2人してみんなの話をそっちのけで耳につけていると
あっという間にReplayの準備に入った。
案の定Replayが始まるとイヤモニは耳を滑り落ちて
歌が歌えたものじゃない
こんな中で歌っても不協和音が生まれるだけだと
歌うことをやめるとそれをカバーする年上2人
両者ともに歌うパートが多いのにこんな負担を
負わせてしまったことに罪悪感が生まれた。
照明が消えてVCRが始まる。
それぞれがスタッフに誘導されて
衣装に着替えて行く中、序盤だと言うのに五感を振り回された俺の体力は弱っていた。
普段はでない汗が頬を伝い、息が上がる
必死に胸を押さえながら衣装に着替えたが、
ステージ袖までの道のりが歪んで見えた。
"《…え…ナギさん！？》"
隣にいたスタッフが俺を階段に座るように促す
『《…っ…歌えなかったらどうしよう…》』
ごめんなさい
ごめんなさい
息を必死に吸いながらそう呟く中気づくと
周りにはスタッフが集まっていた
"《だ……！過呼……！〜い！…か呼んで…！》"
"《ナギさん！息を吐いて！》"
こんなに辛いのに息を吐けるわけがない
マネージャーが近くにきて背中をゆっくりと叩く
潤んだ視界から見えるのはメイクを直したメンバー
心配そうなテミナの顔が見えた瞬間、
何か…使命感のようなものだろうか
こんなことに負けてる場合じゃないと
視界が徐々に明るくなった
『もう…大丈夫です…』
そう言って立ち上がるも心配するスタッフ
"しばらく様子を見て"
マネージャーがそう言うが
会場に響き渡る音は次の曲への準備に入っていた
ファンが待ってる
不規則な呼吸でそう言うと
ジョンヒョニヒョンが俺の元々のイヤモニを
渡して舞台へ登っていった。
オニュヒョンやテミナと共に登場すると
眩しい光が、柔らかなグリーンが、瞳を刺激する。
耳から聞こえてくるメロディーは
心地よく身体に染み込んでいった。
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さらん(プロフ) - ピーナツさんコメント感謝です。ありがとうございます！DVDなど手元にある公演などは臨場感を出したかったのでとてもうれしいです。更新少しずつしていくので気長に待ってください。頑張ります。 (2018年4月11日 19時) (
レス) id: 3f84d54714 (このIDを非表示/違反報告)
ピーナツ - 突然すみません。このお話を読んでるとライブの光景が本当に頭の中に浮かんできます。素敵なお話ありがとうございます。とても共感もします。 (2018年4月8日 21時) (レス) id: 2e52d693f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さらん | 作成日時：2018年3月30日 16時
