83.空席 ページ35
2016.7.29
モニターから確認をしていると会場にシャヲルが続々と押し寄せて行く。
『もしかして…これ満席ですか？』
いつもお世話になってるメイクヌナはこの言葉を聞いて笑い出した
「当たり前じゃんㅋㅋチケット、韓国枠は1分で完売だよ」
『嘘だ〜』
「ほんとだって、妹が2枚欲しいって言ってたんだけど用意できなかったもん。」
『俺に言ってくれれば用意したのに』
「日本の友達が取ってくれたんだって」
1分で完売…マジか…
メイクが終わる頃には満席の会場ではチカチカとライトが少しずつ灯りだした。
きっとこの中にメンバーやスルギもいるんだろう
円陣を終えると会場は暗転に包まれ、音楽が始まる。
登場をしてすぐ、ジョンヒョニヒョンを見つけると
いつもは共にステージに立っているはずのメンバーを見る、というのは不思議な感覚だった。
メンバーが近くにいる安心感からかトークも弾み、いつものコンサートみたいに瞬間的にステージが終わっていく。
アンコール前の最後の歌を説明をする時、
A！と呼ばれた方を見てみると女性が3人並んで白いスローガンを持っていた。
何が書いてあるのかと覗いてみて、目を疑った
"5H1Nee 나기야 넌 1명 다"
5H1Nee ナギ、君は1人だ。
ただ1人、唯一の存在、
そういう意味だと思おうとしたがそのスローガンを持った彼女達は俺が目を向けると荷物を持って颯爽と会場から出てっていった。
動揺を悟られないようにステージを見渡すと同じようなスローガンを持つ人たちと目が合う度、その人たちは荷物を持って帰っていく。
最初は満席だった会場には小さな穴がたくさんできていた。
中には笑顔でそのスローガンを持ち続けている子もいて、それが逆に辛かった。
2日目は更に数が増えていた。
ジョンヒョニヒョンのソロコン時のペンライトを振りながらスローガンを持つ人。
"お前はいらない"
直球なスローガンもあった。
2日目のアンコール。
純粋に俺のために歌を歌ってくれたシャヲル
彼女達に俺は全力で返すことができただろうか
会場で光るSHINeeの象徴である緑の海には
やっぱり小さな穴がたくさん空いていた
"やっぱりソロ活動はもう2度としたくない"
そう思った瞬間だった。
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さらん(プロフ) - ピーナツさんコメント感謝です。ありがとうございます！DVDなど手元にある公演などは臨場感を出したかったのでとてもうれしいです。更新少しずつしていくので気長に待ってください。頑張ります。 (2018年4月11日 19時) (
レス) id: 3f84d54714 (このIDを非表示/違反報告)
ピーナツ - 突然すみません。このお話を読んでるとライブの光景が本当に頭の中に浮かんできます。素敵なお話ありがとうございます。とても共感もします。 (2018年4月8日 21時) (レス) id: 2e52d693f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さらん | 作成日時：2018年3月30日 16時
