悪魔な天使が生まれた日 ページ3
ある時、俺は天使の力を持つとされる家に生まれた。
誕生日。
そんな物、覚えて無いし、知らない。
ずっと、地下牢に閉じ込められ、過ごしていた。
ただひたすらに、今ある“生”にしがみついていた。
ある程度成長し、少年と呼ばれる年齢になったであろう時、
両親と思われる2人が、
｢ お前に妹が出来た。 ｣
と言っていた。
正直、どうでもよかった。
すると、俺がただ黙っているのを良い事に、2人は更に話し始める。
｢お前と違って、天の力を持っている。｣
｢お前と違って、天使のように可愛らしい姿｣
ソイツへの褒め言葉、それと同時に2人から注がれる俺への貶し言葉。
お前と違って、
お前と違って、
お前と違って、
そんな言葉がどんどん俺に突き刺さる。
早く出て行けと言わんばかりに、
鉄格子を思い切り蹴った。
凄い音がした、うるさい。
2人はオレを睨み付けながらも出ていった。
ようやく、静かになった。
そこから暫くの年月が経った。
まぁよく分からないのだが、
一人の女が気味悪く笑いながら入ってきた。
ソイツは、自分は俺の妹だと言った。
そう言えばいつか来た2人組がそんな事言ってたな。と思いながら、
ソイツを睨む。
｢え〜怖〜い！って言うか、アンタが力を使えない無能さん？顔は良いのにぃ…ザンネンだわ｣
と言い、何故か地下牢の扉を開けた。
『……何のつもりだ。』
と聞くと、
｢無能なアンタをお母様達は売るんですって。相手の御方はどんなコトをして下さるのかしらね？｣
と、また気味の悪い笑みで此方を見ていた。
その後、数人のスーツを着た変なヤツらが入って来て、
俺は無理やり連れて行かれた。
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