恋愛戦争 (ページ41)

今日:20 hit、昨日:0 hit、合計:4,015 hit

恋愛戦争ページ41

女「な、嘘でしょ…」

さっきまでの余裕の表情が完全に崩れた。

女「わ、わかったわ、風磨君もあの女も、ちゃ

んと返すから、ね？」

怖じ気づいてあわてて手越達の機嫌を伺いなが

ら言葉を繋げていく。

女「な、なにが望み？！」

終いには逆ギレ、それが手越の逆鱗に触れた。

手「…お前さ、人の大切なモン取っておいて逆ギ

レ？まじざけんなよ！」

勢い良く飛び出し回し蹴りを食らわす。

女にも容赦なく。

ｶﾞｯ…

増「お、おぉ…」

松「す、すごい…」

するとどこからか声が聞こえた。

中「て、手越さん、すごいですね、、」

唖然とした表情で立ち尽くす中島。

中「今紐切りますね」

そこら辺に落ちていたナイフで麻紐を切る。

手越の手首にも、増田の手首にもまるで火傷し

たような痛々しい痣が出来ていた。

中「風磨は…っ、すごい傷、、」

教室の隅っこに倒れている菊地。見ただけでも

服はボロボロ、手足は傷や痣だらけ。頭からも

少し出血している。

加「脈は？」

中「…脈はある、、松島、悪いけど風磨運ぶの手

伝ってくれるかな？」

松「ぇ…あっ、うん」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿＿

マリ「あっ、帰ってきた」

貴『！！…』

増田達の姿を見つけた瞬間、Aは体が強

張るのを感じた。無理もない。一人で無茶な事

をした上、皆に怪我までさせたのだ。

合わせる顔が無い。中島に自分も行くと言った

ものの、危険なだけと止められ静かに家にマリ

ウスと残ったのだ。

Aの瞳に映るもの、とても疑いたくなる

光景。傷だらけの菊地を背負った中島、手首の

痣がひどい手越や増田。怪我こそ少ないものの

何とも暗い顔の松島。

そんな暗い空気の中、増田が動いた。

ﾊﾟｼﾝｯ…

貴『っぁ…』

Aの頬はじんじんと熱く赤くなっていっ

た。

小「ちょっ」

中「小山さん」

増「…」

増田はAの胸倉を掴む。

貴『っ…』

増「…馬鹿！なんで一人で行ったんだよ？！」

Aは無言。頬の痛み、増田の必死さに圧

倒され言葉が浮かばない。

増「俺も中島も、他の奴らだって、どれだけ心

配したと思ってんだ？！なにも言わずにふらっ

と出て行きやがって！頼れって言ったよな？な

んで何にも言わないでいつもいつも、一人で何

でもするんだよ？！」

Aと子供の頃からずっと一緒に居た増田

のだが、ここまで怒ったことは無かった。

おまけにビンタまで。それくらい本気で

Aが大切なのだ…