Snow and blood 1 ページ10
Side →kousaka
三澄「久部くん損傷部の写真お願い」
久部「はい」
三澄「12×10ね」
久部「はい」
今日はご遺体の解剖時間が重なり、三澄班と中堂班が並行して解剖を行っている。
中堂「頸部に縄状の痕跡あり」
久部「はい」
久部君はカメラを持ち替えて写真を撮る。
東海林「膵臓110g」
後ろからは東海林さんの声が聞こえてきて、久部君は慌ててホワイトボードまで走ると重さを記入する。
久部「膵臓110g、っと」
香坂「中堂班、腎臓が鬱血。久部君125g」
久部「中堂班…125、はい」
少しでも混乱しないように、班名を告げてから内容を伝えると、弾かれたように隣のホワイトボードにペンを走らせる。
するとまたすぐに後ろから三澄さんの声も聞こえる。
三澄「器官にすすが詰まってるねー久部くん」
久部「はい」
次は横から中堂さんの声が聞こえる。
中堂「久部こっちから」
三澄「ここ、ここ……これ、もういいや」
それと同時に今度は三澄さんの諦めた声。
東海林「脳1500g」
久部「はい」
中堂さんの言葉に久部君はまたホワイトボードへ向かうと記入する。
そのうち段々と三澄班に追いつかなくなっている。
東海林「自分で書きまーす」
久部「あ、すみません」
中堂「久部早くしろ」
久部「すみません」
中堂「久部、チューブ」
三澄「久部くーん」
中堂「久部」
東海林「六郎〜」
香坂「久部君ー」
あ、やばい。
久部「あー!もう、限界っす!こんなの1人で間に合うはずないじゃないですか」
神倉「新しい人が来るまで、受け入れを減らしましょう。近隣の医大に割り振ってお願して、受け入れてもらえない分は諦める」
遂に不満が爆発した久部君に、所長が案を出す。
久部「諦める?」
首を傾げる久部君に、東海林さんが答える。
東海林「解剖しないで焼いちゃうってこと」
香坂「じゃあ、司法解剖は断りましょう。
司法解剖なら必ずどこかしらで解剖されます」
解剖が終わり、解剖台を洗いながら答えると、
皆納得してくれた。
神倉「そうですね。調査法解剖を中心に、中堂班は三澄班のサポート」
中堂「はあ?」
神倉「一つのご遺体に法医解剖医と臨床検査技師が2人ずつ入れば時間の短縮になるでしょう」
中堂「いや、変わりやしませんよ。
それに香坂は解剖医の資格もある」
香坂「私は構いません。
人数が足りてない以上効率性を重視せざるを得ませんし」
神倉「と、いうことです」
中堂「…チッ」
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伊織(プロフ) - ミルキさん» 読んでくださりありがとうございます。お気持ちはとても嬉しいのですが、やはりこの作品は、私が試行錯誤を繰り返し、誇りのあるものです。どのくらい参考にされるのかはわかりませんが、作者としてはあまり、気持ちの良いものではありません。本当に申し訳ないです。 (2018年3月31日 14時) (レス) id: a491ee9abc (このIDを非表示/違反報告)
ミルキ(プロフ) - この作品を参考にして 作品を書いてもよろしいでしょうか?オリジナルも少し書きますが… (2018年3月31日 6時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - ミルキさん» どうぞ!何ですか? (2018年3月30日 22時) (レス) id: a491ee9abc (このIDを非表示/違反報告)
ミルキ(プロフ) - 伊織さん» 質問してもよろしいでしょうか? (2018年3月30日 22時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - Kanaさん» 嬉しいです!ありがとうございます、頑張ります(*^^*) (2018年3月20日 23時) (レス) id: a491ee9abc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊織 x他1人 | 作成日時:2018年3月5日 22時