【アンナチュラル】lemonade

Honey cake of the happiness 1 ページ2

中堂「神倉さん！ほらもっとしっかり持って！｣

神倉「だって血で滑るし､あんまり見たくないですもん｣


弱音を吐きながら目線を逸らす所長に、執刀医中堂の苛立ちが募る。


久部「所長｡代わりますよ？カメラお願いします」


記録員久部が気を利かせて、今度はカメラを受け取ったものの、高いところが苦手らしく脚立に立つのを躊躇っている。


中堂「あぁ、使えねぇ」

神倉「仕方なくやってあげてるのに...」

中堂の批難の声に、
諦めたように脚立を降りた所長が愚痴をこぼす｡


中堂「おい久部、こっち変われ」

三澄「中堂さん、今だけ臨時ですよ？｣


三澄がすかさず釘をさす。


中堂「こっちで久部を引き取っても構わないぞ｣

三澄「手放した覚えはありません」

中堂「こっちは1人なんだ｡1人くらいいいだろ？｣

三澄「自業自得で1人なんですよね？｣

中堂「あ"ーっ"、香坂はいつ戻ってくるんだ」






久部「あの、『香坂』って、誰なんですか？
ここの人です？」

解剖終了後の台をシャワーで流しながら、聞き慣れない苗字への疑問を述べる。

三澄「そ、ここの臨床検査技師。解剖医の資格も持ってるけどね」

東海林「UDI設立当時から中堂班の異例ちゃん。
3ヶ月前からアメリカで研修中〜」

久部「なんでそんなに続くんでs…
あ、まさか…中堂さんみたいな性格とか…」

三澄「いや？
言葉数は少ないし、物言いはつっけんどん
だけど、物腰は丁寧だよ？ 腕も確かだし」

久部「つっけんどんなのはつっけんどん
なんですね…」

東海林「そしてかわいい」

三澄「うんうん。童顔なんだよねー、
そーだなぁー、久部君って今何歳？」

久部「え？ あ、26です」

東海林「あー多分、見た目だけなら久部君の年齢に
負けてないね」

三澄「ないね」

久部「どんな人なんだ…」









香坂「香坂戻りました」

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