69話 ページ22
遠くから聞こえる悲鳴。燃え散る建物の崩壊音。リズムよく聞こえるそれは心地よいものだった。
近くに転がる学生の死体。恐らく下校途中で死んだのだろう。死んだあとAが見つけ食べたのだ。
リズムよく回れば自然と足取りも軽やかとなり
「ふふっ。ふふふ。‥‥あははっ んふふ！」
踊るように歩き進むその時だった。
「‥‥え？」
突然手を握られ引き寄せられくるっと回る。まるでワルツを踊るように。
そしてつけていたお面を外され
「‥‥あなた、だれ？」
「‥‥俺か？そうだな。知りたいか？俺の名前。」
「うーん？無理には聞かないよ。だって、こんな血だらけの私を見て声もあげない人ってことは‥‥
多分ヴィランでしょ？」
「ふっ‥‥はっはっはっ！気に入ったよ君
俺の名前は治崎。個性はオーバーホールだ。」
「私は榊‥‥榊A。個性は無個性だけど、喰種。」
「喰種？」
「うん。見た目は人間な化け物なの。
まぁ、この個性がごった返す世の中、みんな化け物なんだけどね。」
(治崎‥‥確か弔くんのお店に来てた人が噂してたような？)
曖昧な記憶を辿り気が緩んでいたその時
「あっ。」
自分の腕から出る血。どうやら壊されたらしい。しかし喰種の今そんな少しの怪我などすぐ治るわけで
「へぇ、治るんだ。」
「まぁね‥‥酷いわ。びっくりしたじゃない。」
そう言って怒ったフリをするA。
(治るから別にいいんだけどね。)
「ごめんごめん。
でも、言っただろ？個性はオーバーオールだって。」
「壊して作ることが出来るんでしょ？」
「そうだ。」
壊して作る‥‥相手を半殺しにしようが、また
‥‥この男が持っているからこそ恐ろしいというのはAはまだ知らない。そしていずれ雄英や敵連合とも敵対することなど知る由もなかった。
「そうだ‥‥A。俺の組に入らないか？」
俺はお前に興味が湧いた。そう言って、自分の組に勧誘するも
「‥‥断るわ。私、今の現状で精一杯なの。これ以上大変なのは嫌。」
そう言って断られた。
「そうか。じゃあ無理強いはしないよ。でも口封じはしなきゃいけないからな‥‥」
組の若頭である以上そこはきちんとする。
「はい。これ番号。」
前髪を掻き上げられさっきAが喰べた学生の私物‥‥筆箱からマジックペンを出しておでこに書き上げた。
「登録しとけよ。じゃないと殺す。」
そう言ってデコピンした後お面をつけ直した。
「じゃぁ、また今度。」
そう言って去る治崎。そしてぼーっと見つめるAだった。
(また今度って‥‥会う気満々だ。)
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雪麗（受験生）(プロフ) - ドキドキしてくださってありがとうございます！！応援ありがとうございます！更新頑張ります!!!!!!! (2017年7月24日 8時) (
レス) id: 21d87858eb (このIDを非表示/違反報告)
詩人 - し。しがらきがでてくるとわ、、、！！すごくドキドキです！！続き、頑張ってください！ (2017年7月23日 11時) (レス) id: 600a3b2602 (このIDを非表示/違反報告)
雪麗（受験生）(プロフ) - 雪猫さん！ありがとうございます！これからもドキドキハラハラできるように頑張ります！！ (2017年7月23日 5時) (レス) id: 21d87858eb (このIDを非表示/違反報告)
雪猫 - ドキドキハラハラ！とても面白いです！更新頑張ってください！ (2017年7月23日 0時) (レス) id: 3836a6783c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑 | 作成日時：2017年7月13日 20時
