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私の望み ページ4

『……本心を言うのであれば、貴方のお傍に居させて貰いたかった。

 ですが…稀血である私を食べることで今後の物語が変わるのなら…貴方が今よりも力をつけ、鬼殺隊に殺されることがなくなるのであれば、それが私の希望(のぞみ)です。

 【貴方様の幸せ】が、私の幸せ。

 ひと時の幸せな夢を見せてくださり、ありがとうございました。』


 痛みで(うずくま)った状態から体勢を変え、私は魘夢さんに向かって頭を垂れた。



魘夢「…君はどうしてそんなに悲しそうに泣いているのに、微笑んでいるの?」


 魘夢さんは私に近づき、手で私の顎を持ち上げて言った。



 『───私を食べることで魘夢さんの未来に繋がるかもという光が見えたからです。

 ───ですが何故悲しいのかは、私にも理解できません。この傷が痛むからなのか、貴方との別れが惜しいからなのか…それとも、貴方がまた【独り】にならなければ行けないからか。』



魘夢「俺が一人?」



 『……魘夢さんは、他人に【幸せな夢(虚像)】を与えて従わせています。

 それによって得る忠誠は【(ニセモノ)】の忠誠に過ぎません。

 ですが私は心から貴方様をお慕いしております。

 【夢】も【労い】も【愛】も要りません。

 相手に対し何の対価も要求しない者こそが、本当の【理解者】だと私は思います。

 ですが魘夢さんに従っている方たちはどうでしょう。亡き家族との幸せな夢の為、自身の過去…未来の偽りの夢を見る為。

 私も【貴方の幸せ】を求める者ですから、その人達の中の一概に過ぎません。

 だけど、私は貴方の近くに寄り添えるただ一人の人間。

 私が居なくなってしまったら、【再び】貴方が1人になってしまう。』








───魘夢「……君だって、最初から俺の隣にいるつもりなんて無いくせに。」







 『え…』



魘夢「俺に従う皆、対価を求める。

 君も違いない筈だ。

 【相手の幸せ】が対価だなんて、あるはずないのに……」


 魘夢さんが崩れ落ちる様にして地面に座る。

 それと同時に私に触れていた手を離し、自身の顔に当てた。

 その指の隙間からは大粒の涙がボロボロと零れ落ちる。



魘夢「なのにどうして、君はそんなに真っ直ぐな瞳で俺を見つめていられるの……?」



 あぁ、この人は周りの人間を利用すると同時に、利用されていたんだ。



 『…貴方のことが好きだからです。』

好きなんです→←とっても美味しそう



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設定タグ:鬼滅の刃 , 酔狂 , 魘夢
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やぎ - 求めていた小説!!更新頑張ってください✨ (2022年10月9日 22時) (レス) @page9 id: c3ead30411 (このIDを非表示/違反報告)
魘夢大好き - 魘夢大好き (2021年1月7日 23時) (レス) id: 76de10bf40 (このIDを非表示/違反報告)
そす子(プロフ) - 魘夢推しなので夢心地です…!!更新応援しています!! (2020年12月6日 8時) (レス) id: cff2603c9d (このIDを非表示/違反報告)
鮭大根大好き - ひょ〜!!魘夢可愛いすぎ,,,更新頑張ってください! (2020年11月23日 10時) (レス) id: 206c89cdd5 (このIDを非表示/違反報告)
梅雨(プロフ) - とても面白いです!続きが気になります!更新頑張ってください!! (2020年11月14日 17時) (レス) id: 7e5fcd0560 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぶろぶふぃっしゅ | 作成日時:2020年11月8日 7時

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