Dendrobium (ページ1)

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残念なことに

人間というのは

良か悪か

やたらと他人の価値を

はかった上で関わる生物である。

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可愛いか、可愛くないか

頭がいいか、悪いか

スタイルがいいか、悪いか

お金持ちか、貧乏か

好かれるか、そうでないか

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どちらかというと
自分はその殆どに対して

良。
所謂、勝ち組である。

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高校生にしては

顔もスタイルもいいし
ある程度愛嬌もある

ある程度頭もいいし
ある程度経験もある

全部、手に入るものは
自分で掴みとる努力をした。

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ほとんどを手にした上で感じたことは
こんなもんなのかということくらいだ。

結局、自分はほぼ完璧にはなれても
人が望む幸せにはなれなかった。

何か、足りない。

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仕事でほとんど帰ってこない
男癖の悪い母親と二人暮し。

小さい頃こそ寂しがったり
母親を嫌ったりもしたが
十分すぎる生活費は
振り込んでくれているし

そんな女と結局
自分も同じ血が流れているのだ。

気を紛らわすために
都合のいい相手と遊ぶ。
血は争えない。
とでも言っておこう。

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自分に足りない何かが
何なのかなんて
他所の家庭を見れば
中学生の頃に理解した。

でも、それを自分が
手にしていいものだとも
思わなかった。

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何が足りないのかなんて
はなから気づいていないフリ
をして生きる方が

よっぽど生きやすいから。

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