背後霊の重岡さん

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淳太くんの声だけが部屋に響いた



それだと筋が通ってる


でも…



『背後霊って、人は触れないんじゃない？』



あぁと言う相槌のようなため息が漏れる


でも、それに被せて




藤「いや、触れるで。」



流星からまさかの驚き発言



「「『えっ！？』」」



触れるの！？ でも、今まで通り抜けてたよね？



そんな顔をみんなしていたのがわかったのか



藤「言い方間違えた。


一回だけ何かに触れるらしい。

濱ちゃんがポロっと無意識でこぼしとったから、本当やと思う。」



なるほど


大切なことを無意識でこぼしてしまうとは…なんとも濱ちゃんらしい



他の2人も納得の様子






桐「その1回のチャンスを…俺らに使ってくれたってことなんか。」



中「そうなるなぁ。」



たった1回のチャンス。それが背後霊にとってどれほど大切なものなのかなんて考えられない



『これで、背後霊が同じ場所で亡くなってたら…』



藤「ビンゴってことやな。」






中「あの事故のこと…調べてみるわ。」



桐「俺も…出来るところまでやけど。」


藤「せやな。」


『うん…。私も。』




みんなの反応が薄いのは



不安だからだ



真実を知ったら、今まで通り、背後霊と接するなんてこと私たちに出来るんだろうか







小「ん？みんななしたん？」



静寂をかき消したのはのんちゃんの声だった


驚いて上を向くと、のんちゃんがぷかぷか浮いているのが目に入った



中「ん？いや、なんもないで。」



他の背後霊たちも部屋からすり抜けていて




聞かれて…ないよね…？




小「そっか。」


そう言って、ふわふわと他の背後霊たちの方に行ってしまった



よかった。あんまり興味無さそう



桐「ほな、そろそろ帰るわ。」



そう言って立ち上がる照史くん


時計を見ると、時計の針は6時を指していて


外を見るともう空が薄暗い



藤「せやね、明日も講義あるし。A一緒に帰ろ。濱ちゃんとシゲも帰るで。」



『あ、うん。』





結局、バイバイと手を振る淳太くんとのんちゃんを尻目に



バタバタしながら、淳太くんの家を出た

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