あの日から… ページ28
藤「…あんまり無理せんでな…？」
『毎日大袈裟、大丈夫だから。』
そう言って、心配オーラが全面に押し出している流星をいつも通り送り出す
彼が開けたドアの隙間から、待ち構えていたように冷たい風が入り込んできた
藤「あぁ、ごめん、寒いよな。ちゃんと体、温めときや。風邪引かんようにな。行ってきます。」
『うん、行ってらっしゃい。』
全然平気なのにな
ドアが閉まるのを確認してから
まだ残っていた外の冷たい空気を静かに吸って
彼のお節介のもととなっているお腹にそっと手を置いた
『貴方のパパ、今日も変わらず心配性だね。昨日も1人で慌てててさ。でもすっごく優しいんだよ。』
玄関に置いてある可愛らしいカレンダーがさす日は
5年前のあの別れの日と同じ日にち
考えてみれば、長そうで短かったな
あの日から、少し経った後に流星も濱ちゃんとお別れをして
そこからかな、流星と2人でいることが多くなったのは
先輩2人組はその時就職活動真っ最中だったし
お互い気を使わずに一緒にいれたから、少しずつ距離が近づいくのも時間の問題だった
藤「A。これからさ、一緒に住まへん？」
そう彼が切り出したのは、お互い就職が決まった、あの日から1年が経過した時
正直、凄い嬉しかった
時が進んでいくうちに自分が流星に惹かれていたことは自覚していた
でも…、完全にシゲのことを忘れたと言ったら嘘になる
果たして、このまま彼に甘えてしまっても良いのだろうか
藤「なぁ、A？」
私の思っている事は彼にお見通しらしい
藤「俺は、シゲの事は無理に忘れんくてええと思っとる。せやから、少しずつ思い出にしていかん？Aと、俺と2人で。」
忘れるんじゃなくて、思い出にしていく
あぁ、彼は私には勿体無いくらい良い人だ
嬉しさと、少しの申し訳無さで頬を伝った涙に気づかれないよう
下を向いた私の髪を、彼はいつものように笑ってくしゃくしゃにしてみせた
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shihok0712(プロフ) - 気が付いたら涙がら流れてました。目に見えて、普通に会話し合える背後霊なら、一緒に居て楽しいやろなぁ。唯一亡くなる前に通り魔から庇うしげちゃん、男気半端ないですね！ (8月20日 20時) (
レス) @page37 id: ebf12df227 (このIDを非表示/違反報告)
千歳あめ - はじめまして！この作品読んでボロ泣きしました。いい話過ぎます……！ (2023年3月26日 22時) (レス) @page35 id: a0f783b703 (このIDを非表示/違反報告)
ふーか。(プロフ) - とても面白かったので続編待ってます!勉強も更新も頑張ってください。 (2019年12月8日 6時) (レス) id: 2aef7cd3bd (このIDを非表示/違反報告)
おず(プロフ) - 続き、嬉しいです待ってました！楽しみにしてますね (2019年11月9日 15時) (レス) id: bc6c17b8f8 (このIDを非表示/違反報告)
bbjaniyokoyuzu(プロフ) - 涙止まりませんでした！！！続きお待ちしてます!!!!!!! (2019年5月7日 20時) (レス) id: c52be9df5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚菜 | 作成日時：2018年1月22日 20時
