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赤色の海 ページ9

『えっ、のんちゃんたちも写ってる!』


撮られた写真には、ドアップで写っているのんちゃんをはじめ、

肩を組んで満面の笑みを浮かべるシゲとかみちゃん、

そしてピースをしておちょぼ口の濱ちゃんが


桐「ええなぁ、その写真俺も欲しい。」


小「ええやろ〜。背後霊専用のカメラやからな。そりゃ俺らも写るわ。


ん、この写真もええなぁ。」


そう言って撮った写真を満足げに見ていた彼の瞳には

悲しみがほんの少し宿っていた気がした




お昼を食べ終わった後、


キャンプ場の周りをみんなで探索していると、さざ波が聞こえた

歩いて行くうちにサラサラとした砂がどんどん増えていき、それが夕日の光で赤く染まっていく



中「…戻るか、そろそろ夕飯の支度もしなあかんし。」


きっと照史くんの事を心配したんだろう、潮の匂いが鼻を掠めたところで歩みを止めた


桐「…いや、一回だけ海行きたい。なんか、みんなとだったら大丈夫な気いすんねん。…ええかな?」


その言葉に驚いて、みんなが照史くんの方に目を向ける

もちろん私も

そんな言葉が彼から出てくるなんて思っても見なかった


神「俺も、みんなと行きたい。」


海が怖いって言う感情が、だんだん無くなってる感じがすると微笑む神ちゃん

もちろん反対する人なんて誰もいなくて




『んー、気持ちい〜!』


濱「凄いなぁ、水平線がキレーに見える。」


海に着いた時は太陽が沈みかけていて、みんなで観覧車に乗った時みたいな海が私たちの前に広がっていた

夕日の光が海のキャンバスにも対称にどこまでも続いていて


藤「神ちゃん、照史、大丈夫?」


返事はせずにコクコクッと頷く2人は、似ていないようで、どこか似ている






桐「…綺麗やな。


海って、こんなにも綺麗な色になるんやな。今まで気付かんかった。









モンチ、…ありがとな。」




海と同じ色を帯びていた彼の目は、

神ちゃんが驚いて振り向いた時には

気恥ずかしさからか砂浜へと伏せられていた


神「俺、なんもしとらんよ。」


そう言いながら、にやけそうになる顔を必死に抑えてるのは誰が見ても明確で



小「神ちゃんが女子化しとるな。」


重「こっから見たらもうカップルやな。」


2人のコソコソ話を聞きながら、海の方から吹いて来た風を思いっきり吸い込んだ

夜の海と神ちゃん→←ぽわんぽわんとバーベキュー



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shihok0712(プロフ) - 気が付いたら涙がら流れてました。目に見えて、普通に会話し合える背後霊なら、一緒に居て楽しいやろなぁ。唯一亡くなる前に通り魔から庇うしげちゃん、男気半端ないですね! (8月20日 20時) (レス) @page37 id: ebf12df227 (このIDを非表示/違反報告)
千歳あめ - はじめまして!この作品読んでボロ泣きしました。いい話過ぎます……! (2023年3月26日 22時) (レス) @page35 id: a0f783b703 (このIDを非表示/違反報告)
ふーか。(プロフ) - とても面白かったので続編待ってます!勉強も更新も頑張ってください。 (2019年12月8日 6時) (レス) id: 2aef7cd3bd (このIDを非表示/違反報告)
おず(プロフ) - 続き、嬉しいです待ってました!楽しみにしてますね (2019年11月9日 15時) (レス) id: bc6c17b8f8 (このIDを非表示/違反報告)
bbjaniyokoyuzu(プロフ) - 涙止まりませんでした!!!続きお待ちしてます!!!!!!! (2019年5月7日 20時) (レス) id: c52be9df5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚菜 | 作成日時:2018年1月22日 20時

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