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｢俺は、向井康二やで、雪村さん！｣
｢ああああ…せやったせやった｣
そう言いながら、少し強がったような笑顔で優しく自己紹介をする康二
でも目は確かに悲しげで、その目線の先はゆっくりと机の上に置かれた塗り絵に移動した
ほぼ、赤い色鉛筆で塗られた塗り絵達
花だけではない、動物や色々なものが線からはみ出してはいないものの赤色で塗られている
｢雪村さん…もしかして、色が｣
｢そうなんですよ、識別しにくくなっとるんです…ふっかさんは毎日教えてるんですけどねぇ…｣
深澤さんは、この色使ってみませんか？とかは言うけれどそれよりも褒める方を優先していた
｢俺のこのオレンジ色も、いつか赤くなってまうんですかねぇ…｣
Tシャツと雪村さんを交互に悲しげな目で見つめる康二を見て、俺は今までにないほど胸が苦しかった
数日後、俺はまた病院内を歩いていたが、康二には全く会わなかった
｢病室…か？｣
俺は不安な気持ちになりながら、病室へと向かった
康二は俺のリストに載ってはいたが、他の同僚達が彼を勝手に送る事なんて無いだろうと思っていた
｢はぁ…はぁ…康二っ…？｣
急ぎ足で彼の病室に入ると、そこは相部屋で4つのベッドがあるにも関わらず静かで
部屋にいるのは深澤さんと康二だけだった
｢…康二｣
康二はベッドの上でうずくまって泣いていた
横には深澤さんがいた
｢あ…めぐきゅ…なぁ、雪村さん…雪村さんが…｣
ぼろぼろと、彼の綺麗な瞳から涙が零れていく
…知っていた、そりゃあそうだ
雪村さんはあの後深夜に、俺が風船の糸を切った
…俺が雪村さんの命を奪ったんだ
｢あ、目黒くん…康二の傍にいてやって？俺…検査があって…｣
康二の隣のベッドだったらしい深澤さんは、頼むねとだけ言って病室を出ていった
…どうしたらいいんだ、目の前で泣いている人がいるのに
その理由を作ったのは俺だなんて
｢…また、また一緒に…塗り絵しましょうねって、俺の事最後まで覚えてて欲しいから、毎日自己紹介から始めますねって言って…そんで…｣
｢…康二、ごめんな｣
｢っ…何で謝るん？めぐきゅんのせいじゃない…｣
｢いや、俺のせい…だよ｣
ゆっくりと康二の目を見て、仕事道具…鎌を自分の影から出した
｢ごめん、ごめん…康二｣
なんで、俺は人じゃないんだろう
そんな気持ちが溢れると
目の前で康二の風船がふわりと空へ浮き始めた
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空屋(プロフ) - Sa☆☆さん» 喜んでいただけて嬉しいです、続編にて話の解説をしていますので是非続編も読んでいただけると嬉しいです、またのリクエストお待ちしています (2019年6月4日 10時) (
レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
Sa☆☆(プロフ) - 太陽のクラウン、感動しました！誰のことか想像できてしまって涙が、、、 (2019年6月4日 8時) (レス) id: 0289ad8d0b (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - こちらこそありがとうございます！！楽しみに待ってますのでよろしくお願いします！！ (2019年6月3日 17時) (レス) id: 89ba9725ca (このIDを非表示/違反報告)
空屋(プロフ) - ちゃむさん» ちゃむ様、2度目のリクエストありがとうございます！大丈夫ですよ〜！黒色でもストーリーの基盤を教えてくださったのはとてもありがたいです！今、話の量がかなり多くなってきたので、続編での制作になるかもしれませんが喜んでお書きします (2019年6月3日 17時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - だから康二くんが自分以外に興味を持たなければこんなに不安になったりしないんじゃないかと思い仕事終わり家に連れて行き……みたいな話で2作品とも康二くん受けでお願いしたいのですが大丈夫でしょうか？ (2019年6月3日 13時) (レス) id: 89ba9725ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空屋 | 作成日時：2019年5月29日 1時
