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船、その糸を掴んで me×mk[黒] ページ5

me_side



ゆらりゆらりと、遠い遠い対岸へ向かう木船に手を振り赤い地面をのんびりと歩いた



「はぁ、見送りの次は迎えか…休み無しだな」



今日1日の予定をメモで確認しては、ため息をついて迎え用の服へと着替えに行く



職場の更衣室は常に白か黒の服しか無い、決まった時に決まった制服を着ての繰り返しだ



「つまんね」



黒のパーカーに袖を通し、仕事道具を片手に今日も大きな病院へと"降りる"




「えーっと…何だ、病棟も階も遠いじゃん…」




屋上に降りた俺は、迎えに行く人の詳細を書いたリストを見てため息を吐く



「あの…どうしたんすか?」



ふと、後ろから声をかけられて驚いて振り向いた



「えっ…」



"俺の事が見える!?"と目を見開いて声の主の正体をまじまじと見つめた
眩しいオレンジ色の半袖Tシャツを着た、若い男性…しかし、腕は痩せている



その後ろに目をやると、オレンジ色の風船がふわふわと彼の背中から糸を伸ばして浮いていた



「…小さい」



「えっ!?小さいって酷っ!そりゃー君より俺は、身長低いけど…てか、ため息ついてたん心配したんに…」



「え?あ、いや…そういうつもりじゃ」



俺は、彼の後ろの風船が小さい、と思って呟いたのだが…彼は身長の事だと受け取ったみたいでしょんぼりとしていた



「じゃあ、何でため息ついとったん?君も何か病気…?」


「いや、お見舞い…でもちょっと辛くなってきて」



俺の言葉に、うんうんと彼は頷く
その様子は俺みたいに暗くなくて、横顔も綺麗で明るい雰囲気がある


「せやんなぁ…お見舞いに来てくれる人がいるって、すっごい有り難い事やけど…来てくれる人もその人の事情や用事があるもんなあ」



「えっと、そういえば貴方の名前は…?」



「俺?俺は、向井康二っていうねん、関西から東京来てんねんけど…そこで病気わかって…君は?」



「俺は、目黒蓮っていいます…えっと、よろしくお願いします、向井さん」



軽く頭を下げると、その頭をわしゃわしゃと撫でて大きな声で向井さんは笑った



「なーんや向井さん、って!康二でええよ!そんな硬っ苦しい言い方せんと!なあめぐきゅん!明るくいこうや!」



「め、めぐ…きゅん?」



俺は、初めてのあだ名に戸惑いながら康二の方を向いて、そして思い出した



彼の名前が、迎えのリストにあったことを



そうだ、俺は…康二の命を、終わらせなきゃいけない

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空屋(プロフ) - Sa☆☆さん» 喜んでいただけて嬉しいです、続編にて話の解説をしていますので是非続編も読んでいただけると嬉しいです、またのリクエストお待ちしています (2019年6月4日 10時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
Sa☆☆(プロフ) - 太陽のクラウン、感動しました!誰のことか想像できてしまって涙が、、、 (2019年6月4日 8時) (レス) id: 0289ad8d0b (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - こちらこそありがとうございます!!楽しみに待ってますのでよろしくお願いします!! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 89ba9725ca (このIDを非表示/違反報告)
空屋(プロフ) - ちゃむさん» ちゃむ様、2度目のリクエストありがとうございます!大丈夫ですよ〜!黒色でもストーリーの基盤を教えてくださったのはとてもありがたいです!今、話の量がかなり多くなってきたので、続編での制作になるかもしれませんが喜んでお書きします (2019年6月3日 17時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - だから康二くんが自分以外に興味を持たなければこんなに不安になったりしないんじゃないかと思い仕事終わり家に連れて行き……みたいな話で2作品とも康二くん受けでお願いしたいのですが大丈夫でしょうか? (2019年6月3日 13時) (レス) id: 89ba9725ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空屋 | 作成日時:2019年5月29日 1時

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