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深澤さんから差し出された羽根を受け取ろうとすると、真剣な表情と声で切り出され、僕は手を引っ込めてしまった
「お、お願い…ですか?」
「あー…そんな緊張しなくていいから、その…昨日は悪かった、俺…お前の事何も知らないのに酷いこと言った、羨ましかったんだお前の事」
俯きながら謝る深澤さんは、肩を落としていて小さく見えた
「気にしてないですよ…!でも、僕が羨ましいって?」
「俺、重度の不幸体質なんだわ、そのせいで何やってもダメ…趣味とか楽しみすらないわけ…身体もこんなだし」
骨折してる右足に三角巾で吊られた左手、そして使える右手でズボンを捲るとたくさんの絆創膏とか傷跡とか…
「あとは…いや、まあ…そんな見せるもんじゃねぇな…とにかく人と楽しそうに話してたり趣味があるお前が羨ましかったわけ」
「それで…」
「そんな馬鹿みたいな理由、だからこそ謝りたかった…それに、一緒に居ることのできる人が欲しかったんだよ」
気づけば、深澤さんは泣いててズボンにポタポタと染みを作っていた
「っ…情けねぇ、でも怖いよな、こんな俺と一緒なんて、酷い事しといて一緒に居たいだなんて…ごめん、もう来ねぇから」
「待ってください!…僕も、僕も一緒にいたいです!」
羽根を差し出した手を掴んで、僕は必死に訴えた
「僕が、深澤さんを幸せにします!おまじないやお守り…知ってるものありったけ使って幸せにします!だから…だから僕の前からいなくならないで!1人にしないで…」
父さんと母さんからもらう、たくさんのお土産はたくさんのお守りとぬいぐるみだった
その分幸せになれると思ったから、1人じゃなくなると思ったから
…でも実際は寂しくなるばかりだった
「ラウール…」
僕が深澤さんに崩れるように弱く抱きつくと、右手を僕の背中に乗せて深澤さんは言った
「…そんなに言われたら…1人になんかできねぇよ、その代わり…絶対幸せにしてくれよ?」
「もちろんです、だからこれを渡します」
僕は鞄から、とっておきのものを取り出す
「な、これ…指輪!?おいこんな高そうな物歳下から貰うなんて」
「いーんです!これ、クラダリングっていう特別な物なんですけど…意味は調べてください、僕も知らないんで…」
実は知ってるけど…渡そうとしている内に恥ずかしくなってきた、しかも渡したのが薬指にピッタリだったってので、僕も深澤さんも顔が真っ赤になっちゃったのはここだけの話
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空屋(プロフ) - Sa☆☆さん» 喜んでいただけて嬉しいです、続編にて話の解説をしていますので是非続編も読んでいただけると嬉しいです、またのリクエストお待ちしています (2019年6月4日 10時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
Sa☆☆(プロフ) - 太陽のクラウン、感動しました!誰のことか想像できてしまって涙が、、、 (2019年6月4日 8時) (レス) id: 0289ad8d0b (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - こちらこそありがとうございます!!楽しみに待ってますのでよろしくお願いします!! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 89ba9725ca (このIDを非表示/違反報告)
空屋(プロフ) - ちゃむさん» ちゃむ様、2度目のリクエストありがとうございます!大丈夫ですよ〜!黒色でもストーリーの基盤を教えてくださったのはとてもありがたいです!今、話の量がかなり多くなってきたので、続編での制作になるかもしれませんが喜んでお書きします (2019年6月3日 17時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - だから康二くんが自分以外に興味を持たなければこんなに不安になったりしないんじゃないかと思い仕事終わり家に連れて行き……みたいな話で2作品とも康二くん受けでお願いしたいのですが大丈夫でしょうか? (2019年6月3日 13時) (レス) id: 89ba9725ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空屋 | 作成日時:2019年5月29日 1時