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今日、俺はとても後悔していた
ラウール…俺がガキンチョ扱いしてた奴の事だった
あいつにドリームキャッチャーを突き返して部屋でふて寝してた昨日、夕食が運ばれた後ぐらいの時にあいつの事を詳しく知った



「情けねぇよ、子供相手に八つ当たりしてただけなんて」



ラウールは、幼い頃から病弱で外に出れてない事
だから友達とか少なくて、おまじないと手芸だけが楽しみな事



「知らない事を、勝手に思い込みだけで批判する資格なんて誰にも無い…って高校の時のセンコーに耳タコなくらい言われてたっけか」



ベッドの上で、力なく寝返りをすると足首になにかもぞもぞと違和感を感じる



「ん…?なんだ?」



靴下でも脱げたかと時間をかけて起き上がり、布団を片手で雑に剥がして確認する



「…羽根?これって…まさかあいつの」



足首辺りに、昨日ドリームキャッチャーについてた作り物の青い羽根が落ちていた
恐らく俺が乱暴に扱ったから取れてしまったんだろう、申し訳なさとか気まずさから俺の心は羽根の支柱の針金が刺さったかのようにチクリと傷んだ



「届けねぇと、謝らねぇと…大人としてやべぇよな」



俺は羽根を持って、ラウールを探しにいった

そして看護師から屋上にいるって聞いた俺は急いで車椅子を漕いだ



折れてて三角巾で吊ってる左手側も酷使して、エレベーターに乗って1番上、そんでまた廊下を漕いで…俺は、屋上の扉を勢いよく身体で開けた



「…ラウール!っ…うおっ!?」



バンっと音を立てて扉が開くと、バランスを崩して俺は車椅子から転げ落ちる
…ああ、ついてねぇ




「いっ…てぇ…」


「大丈夫ですか!?しっかりしてください!す、すぐ人を呼んできます!」



慌てて俺を支えるラウールの手をポンポンと叩いて止めた


「うぐっ…大丈夫だよ、それより起こしてくれ…」


ラウールにゆっくりと車椅子に戻してもらうと、息をついて背もたれへと身体を預ける



「あの、昨日の…深澤さんですよね?」


「おう、悪いなこんなだっせぇ挨拶の仕方でよ」


「いえ…それよりどうしてここに?」


未だに心配そうというか申し訳ない気持ちが顔に滲み出てるラウールを見て、俺は慌てて背もたれに引っ掛けてた小さなリュックから青い羽根を入れてたポーチを出す



「ほら、これ…お前の」


「あっ!この羽根、昨日の…!よかったあ、深澤さんが持ってたんですね」


「…なあラウール、お願いがあるんだ」

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空屋(プロフ) - Sa☆☆さん» 喜んでいただけて嬉しいです、続編にて話の解説をしていますので是非続編も読んでいただけると嬉しいです、またのリクエストお待ちしています (2019年6月4日 10時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
Sa☆☆(プロフ) - 太陽のクラウン、感動しました!誰のことか想像できてしまって涙が、、、 (2019年6月4日 8時) (レス) id: 0289ad8d0b (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - こちらこそありがとうございます!!楽しみに待ってますのでよろしくお願いします!! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 89ba9725ca (このIDを非表示/違反報告)
空屋(プロフ) - ちゃむさん» ちゃむ様、2度目のリクエストありがとうございます!大丈夫ですよ〜!黒色でもストーリーの基盤を教えてくださったのはとてもありがたいです!今、話の量がかなり多くなってきたので、続編での制作になるかもしれませんが喜んでお書きします (2019年6月3日 17時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - だから康二くんが自分以外に興味を持たなければこんなに不安になったりしないんじゃないかと思い仕事終わり家に連れて行き……みたいな話で2作品とも康二くん受けでお願いしたいのですが大丈夫でしょうか? (2019年6月3日 13時) (レス) id: 89ba9725ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空屋 | 作成日時:2019年5月29日 1時

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