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お酢を注ぐ前に私は家で育てていたハーブを入れていたプラスチック容器から出して、林さんに申し訳なさいっぱいの表情で見せた
｢あの、林さん…さすがに家庭菜園でハーブとかは育てられてません…よね｣
『…ええまあ、もしかして必要…ですか？あ！それなら…ちょっと待っててください！』
一瞬ぽかんとした顔をした後に、少し考えて、そして立ち上がり画面から離席してしまった林さん
まさか買いに行く！とか言わないだろうかと不安になっていたら何かのボトルを片手に戻ってきた
『ええと、ハーブソルトならあるんですけど…代用出来ますかね？』
林さんが取り出してきたのは、市販のハーブソルト
これを持っていると言うだけでも林さんの女子力には驚かされた、一般的に男性の家のキッチンからこれは出てこないだろうとか思っていたのに
期待を込めた目でこっちを見るものだから、驚きとともにこの人の料理への愛が輝いて見える
｢十分ですよ、じゃあそれを使いましょう！ハーブソルトを使う場合はお酢と混ぜる塩の代用にもなりますから｣
ハーブソルトを瓶に入れ、お酢を注いでいく林さんを見守りながら私も自分の瓶にハーブとお酢を注ぎ、更にアレンジとしてマスタードシードを入れた
『あれ、その粒は？』
｢ああ、これはマスタードシードと言って好みで入れているんです｣
『マスタードの種…？辛くないの！？』
びっくりしたのか敬語が抜けて、口が少し大きく開いた林さんに笑いながら答える
｢マスタードシードは粒のままだと無味無臭なんです、すり潰して水分と練ると絡みが出るのでピクルスに入れるのは食感を楽しむ目的ですよ！｣
『な、なんだそうかあ…びっくりしちゃったなあ』
お互いに瓶に材料を入れ終えて、笑う
こんな風に誰かに料理を教えるのも久しぶりだけど楽しいなあなんて思っていると林さんがそうだ、と小さく言った
『今日のは…色々と材料がAさんのと違ったので、良かったらまた…Aさんの作った料理を食べさせて貰えませんか？あ、えっと…また教わりたい、のと…純粋に食べてみたいというか』
｢えっ、食べてみたい…ですか？｣
『ダメ…かな』
ほんのりと顔を赤くして聞いてくる林さん
でもきっと、私はそれ以上に顔が赤いはずだ
唐突に投げられたその言葉は、辛い辛いマスタード以上の刺激に蜂蜜のような甘さが混ざって
私の頭をぐるぐると回って
料理を理由に私と話したかったなんて林さんの本心は気づかないままに料理教室は終わった
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エリッサ(プロフ) - もうお任せします！！ (2020年4月7日 3時) (
レス) id: 31771c3fff (このIDを非表示/違反報告)
空屋(プロフ) - リクエストありがとうございます！関係性やお話の内容等にご希望はありますか？もしなければ私が色に合わせてお書きしますね (2020年4月7日 0時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
エリッサ(プロフ) - 初めまして。かわいいお話が多くて素敵ですね！カナリア色でいizwさんのお話を書いてほしいです。もしよろしければお願いします。 (2020年4月5日 21時) (レス) id: 31771c3fff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空屋 | 作成日時：2020年3月12日 14時
