千の夜とキャラメルの話:sgi ページ30
sgi_side
ああ、何で俺って遠距離恋愛なんかしてんだろうかと今更ながら後悔するこのご時世
俺の恋人は故郷の京都に居て京都で働いている
まあ、つまりここ数ヶ月会えていないわけで
俺は思った以上に、情けないほど女々しかった
普段甘えてくるのは彼女の方なのに…否、彼女の方だったからか
彼女の声が聞きたすぎて堪らなくなって
毎日寝る前にテレビ電話して他愛もない会話をしている
彼女の職業は図書館司書で、子供向けに紙芝居や絵本なんか読み聞かせしてるものだから彼女の声は心地良いし、彼女オリジナルの作り話はとっても面白い
今日もまた、彼女にテレビ電話を繋ぐ
『もしもーし、A〜？』
画面の向こうの彼女、Aに笑顔で手を振ると今日もルームウェア姿で可愛く手を振り返してくれる
「こんばんはー…ってあれ？駿貴の髪色明るくなっとる、茶髪や！わぁ…かっこいい！」
『へへ、だろ〜？好評なのよこの色』
｢すごい似合ってるで！ええなぁ…私も髪色明るくしたいなぁ、キャラメルみたいで可愛い色！｣
『キャラメル…か…そういやさ、お菓子について何か面白い話とかない？』
俺はAに褒めてもらった髪をちょっと照れながら指先でいじりつつ聞いてみると、Aはそうだなぁと言いしばらく考え始めた
｢それやったら、こんな話してみよか｣
数秒、目を閉じて息を吸う
彼女が語り始める合図にドキリとする
｢とってもとっても甘い物が好きな魔法使いのお話…その魔法使いは森の奥の古い古い家の中にたった1人で住んでいました、自分の欲しいものは何でも魔法で手に入れて、甘いものもお腹いっぱい食べることができました｣
甘いもの、そう言えばAはよくキャラメルを食べていたな…なんて自分の髪色が彼女に影響されたような気になって、顔が熱くなっていくのを自覚しながらまた話に耳を傾けた
｢ところがある日、魔女は見た事もない甘い香りのするものを見つけてしまいました…それは人間、魔女が住む国の王子様でした。なんだあの人は…！とても甘くて美味しそうな香りだと｣
『甘い香りのする男ねぇ、珍し』
俺自身、香水をつける方では無いからほんの少しだけ彼女の話にツッコミを入れてみると、その先は驚く内容だった
｢キャラメルみたいな髪の色、シナモンパイ並に魅力的で笑顔はアプリコットみたいに明るくてきゅんと心を甘酸っぱくさせる…ああ！この人こそ私の運命の人だ！と魔女は大喜び｣
…あれ？これって、俺？
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エリッサ(プロフ) - もうお任せします！！ (2020年4月7日 3時) (
レス) id: 31771c3fff (このIDを非表示/違反報告)
空屋(プロフ) - リクエストありがとうございます！関係性やお話の内容等にご希望はありますか？もしなければ私が色に合わせてお書きしますね (2020年4月7日 0時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
エリッサ(プロフ) - 初めまして。かわいいお話が多くて素敵ですね！カナリア色でいizwさんのお話を書いてほしいです。もしよろしければお願いします。 (2020年4月5日 21時) (レス) id: 31771c3fff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空屋 | 作成日時：2020年3月12日 14時
