薄水に溶ける人魚姫:fkr ページ28
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俺の彼女はとても繊細だった
感受性豊かである事が長所にも短所にもなって、色々な事で苦しみやすくて
それが俺には心配だった、まるで何時か消えてしまうような雰囲気がどこか彼女にはあったから
『A、今日もお疲れ様！ホットミルクだよ』
「拳くん…ありがとうございます」
彼女はいつも敬語で、それは厳しい家で育ったかららしい
元々人と話すのも極度に苦手だったらしいがそれは少しずつ改善していったとは言っている
でも、やっぱり壁があるように感じてしまうのは考えすぎなのだろうか
もちろん、好きという言葉は控えめではあるが言ってくれるしキスも拒まない
ただ、もう少しだけ甘えて欲しいと感じてしまうのは俺がわがままなのだろうか
「私、そろそろお風呂入ってきますね」
『あ、ああ…うん、行ってらっしゃい』
彼女との距離が、遠く感じてしまう
付き合っている筈なのに、隣にいるのに何故かとても遠くにいるような
不安だ…不安で仕方がない、触れたら消えてしまいそうな印象が日に日に濃くなっている気がする
俺がもっと彼女への愛をストレートに伝えるべきなのだろうか？不安にさせてるのは俺の方なのかもしれない、何か気に触る事を知らぬ間にしていたのかもしれない…
色々なケースを考え、考え込んでソファに座って1人になってから1時間くらいが経って気づいた
彼女がお風呂から未だに上がって来ない
いくら女性は長風呂しがちだとはいえ彼女がここまで長くお風呂に入っているのは珍しい…
『…まさかっ…！』
俺はソファから勢い良く立ち上がってバタバタとお風呂場へ急いだ
『A…！！』
ガチャリと扉を開けると、目の前に飛び込んできたのは浴槽にほとんど沈みかけた目を閉じたA
長い髪は湯船の中を海藻のようにゆらゆらと揺れて漂っていた
『A！？どうしたの、しっかり…！』
慌てて彼女を湯船から抱き上げて、浴槽の外へと出しすぐにバスタオルで包み込む
『ねぇ、しっかりして…！』
「う………ん……」
自分がびしょ濡れになったのなんて気にせずに彼女の身体を拭いていて分かった
真っ赤になった彼女の身体は熱くて、目が開いたと思ったらぼーっとしている様子だった
『もう…！上がって来ないと思ったら…逆上せたの？もしかしてお風呂の中で寝た！？危ないでしょ！』
ガツンと勢いだけで怒ってしまったのに気づいてハッとする
『…水と着替え持ってくるから』
俺はそれだけを小さく言ってリビングへ逃げるように出た
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エリッサ(プロフ) - もうお任せします！！ (2020年4月7日 3時) (
レス) id: 31771c3fff (このIDを非表示/違反報告)
空屋(プロフ) - リクエストありがとうございます！関係性やお話の内容等にご希望はありますか？もしなければ私が色に合わせてお書きしますね (2020年4月7日 0時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
エリッサ(プロフ) - 初めまして。かわいいお話が多くて素敵ですね！カナリア色でいizwさんのお話を書いてほしいです。もしよろしければお願いします。 (2020年4月5日 21時) (レス) id: 31771c3fff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空屋 | 作成日時：2020年3月12日 14時
