~END~ ページ27
izw_side
俺は思わず、コメントをタイピングしていた
歌って欲しい、彼女にあの歌を…
震える手でカタカタとキーを打つ間に次の曲を彼女は歌い始めた
「君の声を聞かせて、雲をよけ世界照らすような」
ああ、その歌詞はとても貴女に合っている
だからこそ、だからこそこのコメントが目に止まってくれと思ってコメントを彼女が歌い終わるくらいに送信した
「あ、リクエストだ…どれどれ…」
「パプリカ！まだ歌った事は無いけどギターと一緒にやってみようかな」
ああ、嬉しい
俺のコメントが彼女に届いたんだ
他にも嬉しいとコメントした人は山ほどいたけど、俺が1番喜んでいるだろう
「曲がりくねりはしゃいだ道、青葉の森で駆け回る〜」
明るくて、優しくてほのぼのとした声
小柄な身体と無垢な笑顔がとても可愛くて、彼女の声と姿に夢中になっていた
パワフルで、でも守ってあげたいような雰囲気もある
ああ、大好きになってしまったのかもしれないなんて子供のような単純な感想しか出てこなくて
また「ありがとうございます、初めてライブ配信に来たのですがとてもいい歌声でした」とコメントをした
「わ、こちらこそありがとうございます！これからもぜひ聞いてください！」
俺はその後、そっとTwitterをフォローした
夜遅くまで続いたその配信は疲れた俺の心を癒しとほんの少しの名前のつけようのない不思議な感情で埋めてくれた
今日はよく眠れそうだなぁ、なんて思いながら再びアーカイブから彼女の声を再生する
抱きしめたい、守りたいような華奢な腕から奏でられるギター
細い喉や体から出るパワフルで明るい声
可愛さと繊細さを兼ね備えた表情全てがこの辛いご時世にボロボロの俺の子守唄みたいで
ゆっくりと目を閉じ考える
名前も知らない人だけれど、もっと傍に感じたい
俺の為に歌って欲しい、なんてわがままな心が胸を埋め始めて
あーあ、何かおやゆび姫の絵本みたいに色々なものに連れ去られ助けられ、結果俺の元に来ないかな、とか
花の王子だとか妖精の王子とは程遠い俺の小さな祈りは
彼女の歌声から来た睡魔にかき消された
次の日の朝、目覚めてため息をつく
『やっぱ夢かあ…』
彼女と手を繋いでいた筈なのに、目を開けりゃ画面の向こう…とスマホのロックを解除して気づいた
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彼女だ
ああ美しい声のお姫様、どうかもっと俺の傍に来てはくれませんか―――――――
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エリッサ(プロフ) - もうお任せします！！ (2020年4月7日 3時) (
レス) id: 31771c3fff (このIDを非表示/違反報告)
空屋(プロフ) - リクエストありがとうございます！関係性やお話の内容等にご希望はありますか？もしなければ私が色に合わせてお書きしますね (2020年4月7日 0時) (レス) id: 8e09062377 (このIDを非表示/違反報告)
エリッサ(プロフ) - 初めまして。かわいいお話が多くて素敵ですね！カナリア色でいizwさんのお話を書いてほしいです。もしよろしければお願いします。 (2020年4月5日 21時) (レス) id: 31771c3fff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空屋 | 作成日時：2020年3月12日 14時
