魔女の恋せし想い人 (ページ32)

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12話ページ32

ざわざわと盛大なパレードのなか、その中でも一段と賑わいを見せるその中心にAとシャオロンはいた。
目の前にあるのは断頭台。全く、これでは何年か前に流行った魔女狩りではないだろうかとAは今からそれを使うのは自分だというのにどこか他人のような顔でぼんやりと考えていた

あの時はなんて人間は醜いものかと嘲笑っていたが、まさかそれを自分がされるとは思ってなかった

ゆっくりと、だが確実にそれは進んでいき木の板に頭をはめさせられた

目に広がるのは快晴、こんな日に死ぬというのはなんだか

『……悪くない』

ガシャンと縄が切られ刃物が落下する
だがその時、遠くから爆発音のようなものがひびきわたる

『！？』
シ「はあ！？」

けたたましい轟音と共に断頭台は木っ端微塵に吹っ飛ぶ。当然その上にいた自分もである

顔面から地面に真っ逆さまに落ちるのを、誰かが受け止めた

「よーし着地成功。おらもっと撃ち込め｣

その号令とともにあたりは悲鳴が飛び交い建物は破壊される。しかしAにとってそんなことは些細なことであり、ただ自分を受け止めた人物をぽかんと見つめ、名前を呼んだ

『……グルッペン』
グ「ん、、あぁ俺か、なんだ、お前が俺の名前を呼ぶなんざ初めてじゃないか？A」
シ「てんめーぶっ殺す！」
大「ちょ、シャオちゃんごめんって、キャッチ失敗したことは謝る」
シ「アホお前！人間やったら顔面崩壊してるわ！！」

わーわーと愉快に駆け回る見覚えのある弟子に自分たちに何が起こったのか理解する。

助けられたのか、私達は

グ「……悪かった。居なくなって…こっちも色々あったんだ」

本当に申し訳なさそうに言うグルッペンをAはきっと睨みつけると怒り出す

『な、なんで助けたねん！やっと、やっどぉ』
グ「泣くなよ。それに死なせるわけねーだろ。俺はお前のものでお前は俺のものだ」

そう言って口付けるグルッペンにAは瞬きをしたあと驚愕した顔でグルッペンを見る

グ「おい！次は城だ！
聞け!!!!民衆よ！俺は前国王の一人息子、グルッペン･フューラーである!!!!今わは亡き国王の意思に沿い、現国王はその椅子を譲るか、俺達に殺されるか、二つに一つだ!!!!」

そう言って大勢の集団を引き連れて豪語するグルッペンの集団の中には、いつくか見知った顔も存在していることに気がついた

コ「ママぁぁぁ！」
シ「あ！コネシマやん!!!!」