魔女の恋せし想い人 (ページ30)

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10話ページ30

あれから何年もたった。
少なくとも自分が見てきた世界の色が180度変わるくらいには考え事もした。
今なら分かる。なぜあの時ひとらんは私を殺そうとしたのか。私たちは似たような体を持つだけで、、全く違うものたのだ

それをわかっているつもりで全く理解出来ていなかったのがあの頃の自分だ。
親友はずっと分かっていた。いつの間にかずっと遠くにいたのだ。
それでも……彼は私を思って悪役でいてくれる。甘えていたのだ……その優しさに
何度も死ぬことを考えたけれど、途中で怖くて怖くなって

だからグルッペンに出会った時は歓喜したものだ。「不老不死」を望む子供。これならもしかしたら……人の為なら、私は自分から死ねるかもしれない

でもグルッペンは私に刃物すら向けなかった
それどころか、私からでもわかるほどには大切にされた自信もある

『……オスマン』
オ「あ？なんや…ね……ん」
『……すまない。いや、違うなぁ…ありがとう』

オスマンは一瞬目を見開くと、100年ぶりくらいに見るくしゃりとした笑い方をした
ひとらんの燃えた亡骸を泣きながら埋めたことは今でも忘れない。
けれど、私はこの親友を

ﾋｭｯと、風を切る音が刹那に消えた
見えたのは何年ぶりだろうか、赤、赤、赤一瞬でオスマンの肩に赤い大輪の花が咲く

『!!!!』

Aがオスマンの負傷を脳に受け入れるのと同時に無数の矢が自分たちに向かって雨のように降り注ぐ
気づけば体が勝手に動いていた。無条件にオスマンに覆いかぶさると背中に一瞬の痛みととてつもない熱が襲う

オ「～～～～っ」
『…っは、来て』

途端にAの大切な弟子達が顔を表す

コ「!!!!ママっっ！」
『……オスマンを連れて行って……私が、時間を稼ぐさかい』
コ「！そんなん」
『……コネシマ、命令や。ええね？』

『命令』、Aの口からその言葉が出てきた途端コネシマの体は彼の意志とは関係なしで動き出すとオスマンを担いでその場をあとにする

『はぁ………はぁっ、_______』
シ「_______」

すうっと辺りに視界が悪くなるほどの霧がたちこめる

『……なんや、シャオロン、お前も行け』
シ「お言葉やけどママ、オスマンさんはアイツだけでもなんとかなるよ。
だから俺は、ママを守るよ。」
『……そう、か』