魔女の恋せし想い人 (ページ23)

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自傷無色6 ページ23

ひ「……辞めよう、こんなことしても何も変わらない」

ひとらんは大人しく壺を元の場所に戻すとその部屋を後にする
すると入った部屋でAが何やら実験を試しているのがひとらんから見て取れた

ひ「…何やってるの？」

『ん？あ！ひとらん、なぁ見てぇな！薬！完成したんよ!!!!
これでひとらん達を五十年は長生きさせてあげられる！まだ一緒にいられるんよ』

嬉しそうにそう言って液体を見せてくるAの話はひとらんには届きはしなかった
なんといった？あと50年？こんな生活を？？？

『やからね、もうそろそろあの子達も私の弟子にしようかなって』

こんな、、牢獄のような生活をあの子供たちにも？
一生、死ぬまで森から出られずに、もう二度と両親にも会えない、、世界を知ることがないまま死ねというのか？？

ひ「……やらせないよ」

ﾁｬｷｯ…

やけに金属の音が鮮明に聞こえた

ロ「なぁパパ、なんで魔法使いは人間を弟子にせんの？動物はまぁ…会話のできる魔女もいればできない魔女もいるから弟子にすると不便なのはわかるけど…人間は違うやん？」

オ「…簡単や……人間と俺らでは、生きる時間が違いすぎるんよ。俺らにとっては瞬き位の時間でも…人間にとってはそれは数ヶ月かもしれないし、数年かもしれない…
ましてや人間の潜在能力では殆ど俺らから離れられへんから、、もはやペットと飼い主や」

ロ「ふーん、、俺らからしたら、魔法使いも大して生きてへんのやけどなぁ」

オ「そりゃ、お前らと比べられるとね」

『…………ひとらん？』

ひ「……契約を、解いてくれ」

これは何だろう、やけに冷静な頭が今の状況について考え出す
何故ひとらんはそんな事を…しかも私に刃物を突きつけて言うのだろう

『む、無理だよ、契約は絶対やもん…どちらかが死ぬまで解けは』

ひ「じゃあ家族に合わせてくれよ!!!!」

うん。これはビックリした。だってひとらん、私に向かって怒鳴ったことは何度もあるけれど、泣いたのは初めてだから
泣かないで…ひとらん、大好きな……私の、

『ひ、ひとらん魔女は人間から嫌われてるんよ、、だから、もし街に降りたら…
か、家族って言ってもほら、、親？だよね？そんな者いなくても』

何かが通った気がした。そしてその後に来る痛みと液体に私は固まることしか出来なかった