魔女の恋せし想い人 (ページ16)

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8話ページ16

『せやねぇ、たしかにここは一番危険かもしれへんね』

さも当然のようにそう返したAにグルッペンは一瞬たじろぐ
しかしグルッペンの返答をAは待たず、さらにこう付け加えた

『……だから私はここに居るんよ』

少し困ったように笑うAのその表情を、グルッペンは初めて見た

『………ふふっ、なんちゅう顔しとるんよだからお前はいつまで経っても小僧なんや

せやねぇ、

ちょっと昔の話、、、付き合ってくれる？』

その日の夜、グルッペンは突然姿を消した

コネシマやシャオロンは懸命に森や市場を散策するも手がかりもなく、Aは少し、、少しだけ泣きそうな表情で、自身の椅子からは一歩も出なかった

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿小話5＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

『出来た！出来た出来た出来た出来た!!!!』

ドタドタと慌ただしく扉を開けるAにコネシマとシャオロンは不思議そうな顔でそれを見つめる

『アンタら、これ飲んでみ？』

そう言ってAが差し出してきたのは何やら二人がここ数十年生きてきて1度もお目にかかったことがないほどの禍々しい色をした液体だった

コ「こっ、これを飲むんすか!?」

シ「コネシマビックリしすぎて変な敬語になっとるぞ」

『えぇからはよ飲み！』

ｶﾞﾎﾞｯ

いきなり口の中に瓶ごと突っ込まれた二人はあっけなくその液体を体内へと通す

その味は………まぁ、期待を裏切らないというか…酸っぱいのに苦い、匂いはまるでタイヤを食べてるような……そんな味だった

『んふ、上手くいったわぁ』

自身から吐き気がこみ上げてくるのを必死に抑えようと2匹は口を抑える

と、そこで違和感をまっさきに感じ取ったのはシャオロンだった

いつもの…毛がない？

恐る恐る手を見るとそこには、生物学的には人間と大差ない手のひらがあった

シ「……え、」

慌てて自身を確認のために鏡の前に駆け込む

シ「な、なんやこれぇぇぇぇ!!!!」

程よく伸びた茶髪に相変わらず黄色い目はご顕在。しかし毛の量がまったくもって少ない

『どうや？、、へぇ、結構イケメンやん』

ケラケラと笑うAはどうやら上手くいったことで上機嫌のようで、いつもの様にうるさくして怒られるようなことは無かった

『戻ろうとしたら戻れると思うけど……、もうその姿にはいつでもなれるよ。
はぁ～、疲れた。これで今まで以上に手伝ってもらえることが増えるわ』